気功のひろば
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ブログ

2022.05.07

気功生活 Vol.130

気功生活130号

平和

胸に花が開き、
どこまでも
微笑みが広がる。

【目次】

争いのない生活 天野泰司 初夏の養生
翠と平和の総会 / 会計報告 / 『懺悔の生活』紹介
The Book of Life 3/30・4/6
暮らしと気功1 料理、ときどきケーキ 和田泰典
つれづれ湯遊記7 あや
「京の気功入門」開講〜講座ノート・中之島初回
春夢幻  吉田純子
講座案内

 


争いのない生活

天野泰司

初夏を迎えて

緑の美しい季節になりました。蔦町の庭では、庭師の良文さんに新しく植えていただいたオガタマの木が、たくさん花を咲かせてくれています。漢字では「招霊」、古くから御神木とされてきた木で、花が開くと、どことなくトロピカルな独特の良い香りがします。
木々が枝葉をぐんぐん伸ばしていくように、私たちは胸が開き、関節がゆるんで広がり、心も体も伸びやかになっていきます。明るい心持ちで思いをふくらませ、行動に移すのにとても良い季節です。

無所有というあり方
私たちは、戦争という過ちを何度も繰り返してきました。お互いを大切にしあう本能を持った人間どうしで、なぜ奪いあい殺しあうようなことが生じてしまうのか。そのことを徹底して悩み抜き、「争いのない生活」へ立ち戻り、それを鮮やかに実践してみせた西田天香(一燈園創設者、明治5〜昭和43)という人がありました。
気功協会設立当初の2000年に、長女たまが一燈園小学校に転入したご縁で天香さんのことを知り、その「無所有・無一物」のあり方は、気功協会を立ち上げる時の精神的バックボーンとなりました。貴重な技法も、場所やお金も、全てが私たちに托された預かりもの。それをどう全体のために生かすかということが、気功協会の非営利活動です。

組織や集団というものは、素晴らしい目的や志を持っていたとしても、往々にして派閥や権威主義を育て、対立や争いを生み、個人の自由を奪い、特定の誰かの所有物のようになったり、独善的になりがちです。
そんな芽がどこかにあったら、何のために気功をしているのかわからなくなってしまいます。
禅密功の劉漢文先生は、「偉い先生などいない」「私たちは同じ自然を学ぶ生徒だ」「小学校の同級生のように交流しよう」と、よくおっしゃっていました。その、教えと学びが常に同居したスタイルが、「気功の学校」や「禅密の学校」に引き継がれ、それまで学んだ多種多様の気功や心身技法が、ひとつの流れにまとまっていきました。
一燈園のあり方を暫定的に示した「光明祈願」という一文の中に、「別に一宗を立てず、単に一派に偏らず」というくだりがあります。これは気功協会の立ち位置ととても近いように思います。私たちは、人知を越えた、大いなる大自然の摂理のようなものを学ぼうとしていて、そこへの道程は先人が数多く示してくれています。「天野気功にしたらどうか」と進言される方がありましたが、それでは根本から違ってしまいます。これは自分の技法、これは自分のお金、自分の領土、そうした「所有」という概念から争いが生じます。天香さんは「物そのものは本来誰のものでもない、全て全体のものである」と表現しましたが、気功もまさにそうで、誰のものでもありません。いつもニコニコしながら、十全に力を発揮し、健康に生きていく。そのための公共技術としてずっと育んできました。
争いや葛藤に苛まれる生活は果たして健康と言えるでしょうか。そして、争わないように頑張ることもまた葛藤です。そこから離れていくやさしくてわかりやすい方法が気功の中にあります。

世の中には、たくさんの障壁があるようにも見えますが、その壁を動かないものにしているのは、もしかしたら、私の中の頑なな気持ちなのかもしれません。
心は、今この瞬間に変わることもできます。地球上で戦火の絶えない今、初心の「争いのない生活」に立ち返り、「心の平和」の自然な広がりを作っていきたいと思います。

2022.03.11

気功生活 Vol.129

咲く

ひとつ、ふたつ、
そして一斉に。

【目次】

心の平和 天野泰司
平和の一歩を共に / 講座ノート
気功暦できました / 春の養生
つれづれ湯遊記6 あや
The Book of Life 1/28・2/25
講座案内
初節句 吉田純子
会員の継続をどうぞ

 


心の平和

天野泰司

冬を越えて
京都では、寒さも底を打ち、おだやかな春の気配が感じられるようになってきました。
本来なら、心おだやかに過ごしたい季節のただ中に、ウクライナへの軍事侵攻は本当に胸が痛みます。一刻も早くこの誤った行いが終結して平和が戻り、被害を受け傷ついている全ての人が速やかに回復して欲しいと、今、誰もが願っているでしょう。
けれども、紛争に乗じるようにして、日本も軍備を拡大増強すべき、極論は核を持ちたいなど、平和的でない手法で平和を維持しようとする不自然な動きが一方で露出しています。現在でも日本の軍事費は世界第9位、軍事力では5位との分析もあり、それをさらに拡大することを世界の誰が望むのでしょうか。強力な軍と兵器があるから安心だ、などというのは幻想です。懐に銃を忍ばせて、喧嘩をしないから私たちは仲良しだ、と。それでは冷戦的な嘘の平和はあり得ても、本当の意味での平和が実現することは不可能です。
力を持てば力に頼り、平和的な交渉能力や問題解決力も低下していきます。真の平和を実現するためには、武力的な威嚇ではない、相手を思いやり、こまやかに支え合うような、平和的な手法を開拓していかなければなりません。
それが唯一の被爆国でもある日本の役割ではないかと思います。

暴力の根っこ
私たちの心の中には、自分の思い通りに何かをコントロールしたいという欲求が根深くあり、思い通りにならないことに対して、力でなんとかしようと無理してしまうことがあります。でも、どんな手段であれ、相手を力で従わせようとするのは全て暴力なのです。
戦争は遠くの出来事ではなく、私たち自身が、身近な人や知らない誰かに、有形無形の暴力を気づかずに使ってしまっていることがある。そのことを自覚しておく必要があるでしょう。
人間の本性は慈愛に満ちています。生後13ヶ月という長い期間、完全な依存状態にあって、誰かの愛や慈しみがなければ、決して生きていくことができません。他の動物は、生後間もなく立って歩き、食べる力を持って生まれてきますから、この差は圧倒的です。
本来親切で、やさしくて、人のためになることを進んで行おうとする人間が、暴力的になってしまうのはなぜなのでしょう。

争いや暴力の根っこには、一方的な思い込みと、身体感覚の鈍りがあります。そのために柔軟な思考ができず、何がどう異常なのか細かく感じる力も低下するので、物事が順調に進むはずがなく、うまくいかないと、力で押し通そうとしてしまう。
暴力を無くしていくためには、私たち一人一人が、観念的なとらわれから自由になり、いろんなことに繊細に気づくことができる身体感覚を養う、言い換えれば「思考と身体の自然性」を高めていくことが大切です。そうすれば、物事がスムーズに進み、対立や争いは減り、身のまわりの平和と幸福が実現していくでしょう。

健康と平和
また、他国や他人に対してだけでなく、「自らに向ける暴力」も存在します。例えば、体調が崩れると、なんとか立て直そうと必要のない努力をしていることが多いものです。熱が上がれば下げようとし、咳が出れば出ないように、痛みがあれば止める。一時的に必要なケースもありますが、どれも生理的な働き、自然な働きにブレーキをかけることになり、体が鈍り、経過が乱れます。
健康のためにと頑張ったのに、却って害することは、数多く存在します。これはある意味、自分自身への暴力だと言えるかもしれません。予防という名目で打つワクチンもまたしかり。打つ影響は大きいので、肝臓へのてあてなど、アフターケアは必ず行なってください。

対話の能力
体が望んでもいないことを、「こうしないといけない」「こうするしかない」と一方的に押し付ける。けれども、体は対話を望んでいるかもしれません。「今は暖かくして、もう少し熱を出したい」「しっかり咳をして胸や背中をゆるめたい」「無理に動かず楽な姿勢でじっとしていたい」……。そうした、私の中の声にならない声に耳を傾けることから、体が望んでいる通りの最善の選択、「自然の経過」が実現していきます。

「これは良いこと、悪いこと」と意識で制御して行動している間は、その分、どこかに負担がかかって、無理や対立が生じます。それが、目に見えない争いや葛藤の元になっていることに、私たちはなかなか気づくことができません。ひとたび心身がゆるむと、自分を鞭打っていたことに気づき、ゆとりができると、精神が体を縛っていたことにも気づく。そして、好ましい変化が自ずと生じていくのです。

平和への道のり
私は、気功をする習慣が世界中に広がってほしいと思います。一日の中のほんの15分、わずか一パーセント程度の時間を、自分自身との対話のために用意するのです。このことの効果と影響は計り知れません。
例えば、「心がおちつくやさしい気功」は、初めての方でも、動画にそって動いてみるだけで心身の深いリラックスを容易に体験できます。視聴回数12万回。その一回一回に心身の変化や自分への気づきがあり、継続していくことで、人生が変わるような体験をされる方もあります。
「体をゆるめ、心を落ちつける」。ただそれだけのことが、想像もつかないような、大きな力を秘めています。人種、民族、国籍、信仰、貧富、貴賎、老若、男女の別を問わず、誰もがいつでも実践することができる。そして、心身の根源的な変化は、健康状態はもちろん、精神活動や生活の仕方、仕事や対人関係にも大きな影響を与えていきます。

最初に実るのが、心身の平和。心身をゆるめて緊張をほどき、体の中を非武装化していくと、自然でありのままの生き生きとした私が立ち現れてきます。健康で幸福になっていく流れが確実にそこにあります。
次は、生活の平和。心身にゆとりができると、無理のない、ベシベカラズのない非暴力的な暮らし方に。ちょうどよい具合に人生を楽しみながら生きていくようになるでしょう。
そして、その結果として実現していくのが、本当の意味での社会的な平和です。戦争や暴力はいけないことだから、してはいけない。それはもちろん当然ですが、「してはいけないからしない、させない」というあり方の中にも依然として暴力の火種があります。だから、物理的な平和が維持されている間に、軍備を増強するのでも、また何もしないのでもなく、根底にある火種そのものをどんどん減らしていくことが必要です。

私のゆとりと平和は、相手へのこまやかな気遣いや思いやりへと発展し、自他を隔てていた境界もなくなっていきます。そうした人たちが暮らす、心からお互いを敬い、大切にする世の中では、「しない・させない」ではなく、当然のこととして争いが「自ずとなくなっていく」のです。この違いはあまりにも大きく、全く新しい世界がここから開けていくでしょう。
最初は、自分一人です。自分の平和は自分でしか実現できない。でもそれができるようになれば、誰もが自分と仲良くなり、お互いに仲良くなり、全体としての平和が実っていくでしょう。簡単でやさしく、心地よい方法で、自然の懐へ、本来の平和へと還っていきましょう。

2022.01.08

気功生活 Vol.128

生まれる

全身で、
全霊。

【目次】

ふゆからはるへ 天野泰司
特集・夢と気功 新春の気功/夢曼荼羅の作り方/
「幸福になる気功」講座ノート
つれづれ湯遊記5 あや
The Book of Life 12/14・12/29
新生  吉田純子
本とCD・ DVD
講座案内


ふゆからはるへ

天野泰司

 新年あけましておめでとうございます。2022年が開け、新しい春を迎える季節になりました。昨年、そしてこれまでも、多くのご支援ご協力を本当にありがとうございました。おかげさまで、蔦町の新事務所が完成して一年、これからが活動の本番です。本年もよろしくお願いいたします。

からだの自然
『気功入門 からだの自然が目を覚ます』(春秋社)の増刷が決まりました。2004年12月に初版が出て、今回で14刷。紙媒体や書店が減りつつある昨今、とても貴重でありがたい思いです。
『気功入門』は原点のような本。気功協会創成期、1999〜2004年に積み重なった奇跡的で幸運な学びが、この一冊に結晶しています。多種多様な気功、整体や自然体育の流れが出会い、壁を越えてひとつになり、どこまでもシンプルでやさしい本になっているのは、驚くべきことです。

気功とは、何か特別な技法を学ぶものではなくて、自らの体の中に生き生きと働いている何かと出会い、対話しながら、その元からある自然な働きと一つになっていくことです。無限に方法があって複雑多岐になりがちですが、難解になればなるほど、本来の自然から遠ざかってしまいます。だからこそ、できるだけシンプルでやさしいことを選んで、無理のない自然なやり方で学ぶことがとても大切になります。

今年は、この原点の自然に立ち返って、やさしく深く気功を学んでいきます。メイン講座「気功の学校」をはじめとして、入門講座、「禅密の学校」、蔦町での集まり、毎月の配信など、充実した流れになることでしょう。

新しい生命を迎える
昨年末、長女のたまちゃんが自宅で元気な女の子を産みました。名前は「りん」です。
陣痛が始まったと連絡があったのは、木曜の教室の途中でした。初産なので、予定より遅れるつもりでいましたが、10日ほど早くなりました。りんちゃんはお腹にいる時から本当に聞き分けが良く、病院検診の前日に「明日逆さまだと帝王切開になるから、大人の都合なんだけど」と説明すると、翌日にはくるっと頭を下に。「もういつ産まれてもいいよ」というとすーっと頭から下に降りてくれていました。
自宅で出産できたのは幸運でした。産後も毎日てあてができますし、たまちゃんも四日目に骨盤が左右揃った時に起きることができました。

産まれたばかりの赤ちゃんへのてあては、カニババと呼ばれる宿便の排泄を促し、お乳を吸う力をしっかりさせるなど、大きな意味がありますが、最も大切なのは、ただここにいるだけで満たされた幸せな状態を保つことです。新生児期には強い刺激を避け、全てをその子にとって心地よいリズムで進めていくことが大切ですが、どれだけ気をつけても難しい時もあります。多少の波風があっても、てあてをしていくと、原点の幸せな状態に立ち戻って、この変化に富んだ現実世界を、臆せず存分に楽しみながら、全力で生きていく土台、ゆるぎない安心感が育っていくでしょう。

そのままの私を
生後13ヶ月、そして3歳までの間が、潜在意識に幸せの種をまいていく最も大切な時期。だからこそ、お産や子育て、妊娠以前の女性の体づくり、周囲や男性のサポートがとても重要になります。
けれど私たちは、大人になっても、繰り返し赤ちゃんの心と体に戻って、幸せの種をまくことができます。私たちが楽しんでいる「気功」は、そのやさしい具体的な方法です。「今、誕生したばかり」そんな初々しい気持ちで、今ここにある幸せを味わっていきましょう。まず私から、そして次の世代へと、幸せを膨らませていくのです。
次世代は、何も自分の子供や孫に限ったことではありません。また若い人たちだけに気持ちを向けるという意味でもなく、あらゆる人の中にある「こども」や「赤ちゃん」、いわば「純真なその人」「そのままの私」を見つめていくということです。

天心に還る
私たちが「てあて」、あるいは「愉気」と呼んでいるものは、この原点の自然への集中です。
その意味では、気功は「自分へのてあて」だということもできるでしょう。ポカンとして手をふれると、その場所の自然な働きが活性化していくように、なんの飾りも脚色もない自分におだやかな意識を向けて動いていくと、眠っていた自然が一斉に働き始めます。

季節は冬から春へと巡っていきます。生命が次々と芽吹いていくこの時期は、気功の真価が花開くタイミング。やさしい気功を、気持ちよく、天心に還って、みんなで続けていきましょう。

2021.11.09

気功生活 Vol.127

今、変わる

私の心、
私の体、
私の関わっている
すべてのもの。

【目次】

内からの変革 天野泰司
冬の養生 目のてあて/ 首まわし / 水を飲む
特集・治る力と体癖 その2
The Book of Life 9/14・10/3
講座ノート 10/20・10/10 京都
ミラクル禅密直行便 みつる
つれづれ遊湯記4  あや
蔦町茶会 〜取り戻す秋 吉田純子
お知らせ 気功の学校123 他


内からの変革

天野泰司

 蔦町の庭は、秋明菊や石蕗が咲き、花水木が紅葉して秋らしく色づいてきました。いかがお過ごしですか。
蔦町の事務所は秋分の日で一周年。あっという間に過ぎた一年で、早くも、2022年の講座を決めていく時期になりました。
メイン講座「気功の学校」は、新春のリアル教室がリニューアルして復活。体の変化が最も大きな1〜3月に、気功のいちばんの基礎を学び、心身をバージョンアップさせます。
前回は、オンラインでたくさんの方に「気功の学校・ゼロ」を受講いただきましたが、早春の新生の息吹と共鳴してダイナミックに心身が変化していく醍醐味は「リアル教室」ならでは。機も熟し、ここ数年の閉塞的な状況を内側から一気に転換する絶好のタイミングです。
体の内と外はいつも共鳴しています。私たちの身体は外界の状況に即応するようにして変化し、心身が根本から変わることで、周囲の環境も切り替わっていきます。
その意味では、「よし、行こう!」と、新春からの「気功の学校」などのリアル教室に主体的に参加したり、生活リズムに合わせて動画配信を活用し、心身が着実に変わることがとても大切です。今この時にこそ、多くの方に、気功が広く伝わってほしいと心の底から思います。
気功の効用は、単なる健康法の枠にとどまりません。「ゆるむ」ことを体を通じて理解し、ストンと腑に落ちると、当然と思ってきた「一生懸命にがんばる」という手法ではない、別の選択肢が生まれ、生きることが自然の流れに沿って、今の心地よさを大切に、気持ちよく楽に過ごせるようになるのです。もちろん病気も乗り越えやすくなるけれど、「健康になる」ということの本当の意味はここにあります。

からだに染み込むように
私が気功に出会った30年ほど前には、たくさんの種類の気功が独自の流派と理論を打ち立てて、気功はどこか謎めいた怪しいものとして社会に拡散していました。それもそのはず、道教、密教、禅などの宗教的な心身改変テクニック、不老長生の秘法や民間の治療術、漢方や中医学、伝統的な武術や体術など多種多様な源流を持つものを全部ひとまとめにして「気功」と呼んでいたからです。そこに日本の整体や操体法、からだ育ての視点、世界の心身技法、現代医療の視点も加わって、いったいどうやって気功をまとめていけばよいのか、真剣に悩んだ時期がありました。
その悩みの糸口が開きかけた頃、私が所属していた気功組織が解散し、2000年に「気功協会」が誕生しました。あとは努力というよりも、ただ導かれるままに次々と幸運な出会いや学びが積み重なって、今があります。
複雑で難解なことを、シンプルでやさしく、どこまでも分解し精練していくと、そこにはすべての土台、「自然の原理」が残っていきました。「気功の学校」で学ぶのはこのエッセンス。今期は、毎回わかりやすいテーマを立てて、自然の原理が体に直接染み込んでいくように学びを進めます。
初めて学ぶ方も、何度も受講されている方も、気功を誰かに伝えたい方にも、収穫の大きな内容となるでしょう。この機会にふるってご参加ください。申し込みお待ちしております。

2021.09.09

気功生活 Vol.126

うつる

内にある勢いが
外に現れ、
私の思いが
目に見える現実に。

【目次】

蔦町一歳 天野泰司
特集・治る力と体癖
The Book of Life 7/6・8/8
講座ノート 7/22中之島
Self 31期 感想
つれづれ遊湯記3 あや
コロナと七夕 報告と感想 kino
秋の入り 吉田純子
秋の養生・ 足湯/ 腎臓 / 頭のてあて
お知らせ


蔦町一歳

天野泰司

2020年秋、蔦町の気功協会事務所が竣工して、9月23日でちょうど一年になります。配信、講座、茶会、個人けいこ、執筆、編集、発送など、仕事や生活の流れがとてもスムーズになり、蔦町のない気功協会はもう想像すらできないほど、この場ができたことで充実してきました。皆さんの、本当にたくさんの物心両面の支えがあって、ここまで来ることができました。あらためて、心から御礼申し上げます。感謝の気持ちを込めて、一周年の「気功と蔦町茶ノ会」をしますので、お申し込みをお待ちしております。

コロナと七夕
「コロナと七夕」の配信では、庭師の良文さんが一燈園の山から笹と野生の高砂百合、栗を切ってきてくださって、七夕らしい清々しい場に。雨音のBGMや、休憩時の青木隼人さんのギター演奏も、講座全体に心地よい余韻を響かせてくれました。
講座でも少し話しましたが、一年半続けてき た「コロナ対策としての気功」は、願いの叶いやすい体づくりをしてきたのかもしれません。不安を洗い流し、免疫力を高め、呼吸器を広げ、野生の勘を取り戻して生命力を盛んにする。そのどれもが、新年や七夕の願いを書く時にいつも準備として行なっているものです。
マスクや手洗いなどの物理的な感染予防だけではなく、自分で心身を整え、ブラッシュアップしていく気功的処方は、確実に幸せに近づいていく方法ともいえるでしょう。感染者数が激増している今だからこそ、心身と対話しながら、力を養う時間を持っていきましょう。

ホームページの改変
「みんなに紹介したいので、初心者でもわかりやすいトップページに」という意見を受けて、HP「気功のひろば」のリニューアル作業に入ることができました。動画配信のニーズが大きく増えたり、スマートフォンの普及、「気功」と検索した順位の低下など、このかんの大きな変化に伴う念願の改変です。Webデザイナーの山崎哲由さんと相談しながら、コンテンツの見直しを進めています。

治る力と体癖
この秋、特別企画として、Web講座「治る力と体癖」をお届けします。
野口晴哉さんのまとめた「体癖」は、基本を知るだけでも面白く、世界がまるで違って見えてきます。体癖はまさに多様性を知ること。そして今回は「あらゆる症状に対応できる自然な処方箋」を手に入れる、大きなおまけが付いています。
体癖は、「生まれながらにある運動特性」。生来の特性を活かすために最も大切なのは、変化する自然の流れを乱さないことです。自然は変化と多様性に満ちています。私たちの体の中の自然も同じ。だからこそ、体癖を学んで「私の持ち味」に気づくと、大きな変化が生じるのです。そして「治る力」は私の著書のタイトルですが、病むことを通じて体が変わり、アップグレードされていく、「変わる力」を合わせて身につけます。


Web講座に先立ち、今号では、体癖の原色となる五つのカラーをわかりやすくまとめました。上記の表も、三回の配信時にはお手元に。このいくつかが、あなたの中にも含まれています。この講座と特集を、心身両面の人間の動作を観る手がかりとして、どうぞお使いください。

変化の時
この秋は、大きな国政選挙があります。固定化、単一化し、病んでいるものが表面化して、一気に変わっていくタイミングです。「私はどんな素敵な国に暮らしたいか」という、一人一人の思いが重層的に積み重なったものが国政です。それを自分とは関係ないと他人事にしてしまったり、固定した主義主張に執着して考えることを放棄するのか、もしくは状況に応じて自分で柔軟に考えを膨らませていくのか。そこが今回の争点です。
七夕の願いが自然に叶っていくように、今、このタイミングで、自分が住んでいる国の、一番健康で、自然で、本当の意味で豊かで、心から幸せを感じられるような状況を思い描いて書いておくと、いつかそれが本当に実現していくでしょう。
私たちが、病を乗り越えては心身を改変し、理想的な健康に近づこうとするのと同様に、この国も、世界全体も、潜在的にはずっと健康になろうとしている。その根本にある力に注目し、主義主張ではなく、無色透明な純粋な思いを集中していくと、大きな変化の流れが自ずと生じてくるでしょう。
まず私から、心地よい変化の波を巻き起こしていきましょう。

2021.07.07

気功生活 Vol.125

祓う

知らず知らずに
澱んでいた何かが
活発に動き、
流れ出す。

【目次】

特集 アンインストール・コロナ 天野泰司
   〜気功的処方
The Book of Life 5/27・6/7
茶つみと総会
つれづれ遊湯記2 あや
町長に挑戦! 末岡友行
講座ノートから
梅雨を歩く 吉田純子
お知らせ


アンインストール・コロナ

天野泰司

 関西は、長い梅雨の最中です。晴れ間に散歩をすると、草や木がすごい勢いで伸びています。
 このところ、コロナワクチンを接種される方が増え、私にも接種券が送られてきました。自分で判断することがとても大切ですが、結論から言うと、普通に健康な方、特に若い方は接種を急ぐ必要はありません。
 職場や集団接種が急増して相談も多いので、コロナとワクチンに関して、現在分かっていること、まだ分かっていないことをお伝えし、接種を終えた方、これからと思っている方、迷っている方、しないと決めている方、それぞれに適した気功的処方を紹介します。


 日本の再構築
 緊急事態宣言から蔓延防止(通称マンボウ)に切り替わった頃から、都会での心理的な緊張感がゆるゆる解けているように思います。そもそも、飲食店の営業自粛ばかりの感染症対策が有効かは大きな疑問です。今までの日本のコロナ対策は主に企業や個々人の懸命な自主努力によって成り立ってきたもので、得体の知れない不安との闘いがずっと続いてきました。加えて、オリンピックのために意味不明なタイミングで宣言をオンオフ、感染者が減ってきたらGoToで人の動きを急に増やすという、およそ一貫性のない政策に一年半、私たちは振り回されてきました。
 本当に必要なのは、長い目で見て持続可能な、ちょうどよい人と人との距離感や、無理無駄のない経済活動を続け、人口の密集を自然に分散させること。適度にゆとりを持ちながら、幸せに暮らしていける日本を再構築していくことではないかと思います。
 利益追求、成長拡大が全体を潤すというのはもはや幻想です。元に戻るのではなく、新しい道を拓く。こんな緊急事態だからこそ、大きな方向転換が可能な面があり、今、私たちが何を思い描き、形にしていくかが真に問われています。

 注意と不安を分ける
 コロナ対策として今、大切なのは、「過剰な不安を減らすこと」です。適度に注意して対策・配慮することと、不安を分けて考える。
 コロナは怖い、買い物に行くのも人と会うのも怖いという、生きることそのものへの不安が過剰に広がりすぎています。不安や恐怖を元にした対策は道に迷いやすく、ずっと不安を抱えていると、生命力も免疫力も衰えます。
 気づかないうちに書き込まれてしまった「コロナ」という「不安ウイルス」を一度全部、アンインストール。さっと洗い流していきましょう。

 アンインストール・コロナ
 コロナに対する漠然とした不安。その原因の大部分は、報道やネット上の偏った情報です。最近は意図的に加工・修正・削除され、現実から乖離したバーチャルなものまで見かけます。
 感染症・ワクチン接種への極端な安全論や危険論は、どちらも空想の域を出ない、非現実的なものです。「コロナはとても危険でワクチンは絶対安全」「コロナはとても安全でワクチンは絶対危険」、その両者ばかりが目立つ、この盲信的な状態こそが異常です。よく分かっていないことは多いですが、「こうだ」と思ってきたことにも疑問符をつけ、情報に接しましょう。
 過去の記憶そのものを消去することはできませんが、それにまつわる情報を新しく塗り替えることで、セットになっていた「漠然とした不安」を消していくことができます。また、記憶と不安を切り離して、不安として生じてくる身体反応を減らすことも可能です。
 とてもおすすめなのが、不安をわずかでも感じるたびに「心がおちつく やさしい気功」を続けること。適切に注意を働かせながら、その都度クリーニングして、得体の知れない不安を卒業し、溌剌とした日々を取り戻していきましょう。

 作られた不安と必要な不安
 不安には、本来必要のない作られた不安と、必要な本能的不安があります。クリーニングを続けて、まだ残る不安がある時は、それは「正常な不安」かもしれません。人間も動物ですから、本能的な勘の働きに守られている面も大きいのです。気功を続けていくことで、野生の勘も養われていきます。

 自然免疫と獲得免疫
 欧米とは違い、日本では、高齢化に伴って年間二万人単位で増加していた全死亡者数が、2020年は九千人も減少しています。また、若い世代のCOVID-19の発症、重症化、死亡者はとても少なく、10代以下の死亡者はゼロです。なぜ日本では死者が少なく、若者はコロナに侵されないのでしょうか。
 よく言われるのは「自然免疫の働き」です。四季の変化に富む日本では、季節の変わり目に風邪を引くことも多く、体内に常時備わっている「自然免疫」が鍛えられています。大人になる程、特定の病気になっては身につける「獲得免疫」の働く比率が大きくなっていきますが、子どもたちはさっと働く自然免疫で、大部分の感染を乗り越えていきます。感染しても発症しなかったり、すぐ回復するのは、豊富な自然免疫のおかげかもしれません。
 だとすると、ワクチンを打って予防するより、自然免疫を高める方が感染予防効果が高いかもしれません。よく動いてしっかり休み、心を楽にして、気持ちよくニコニコして生活するのがまず基本です。

 風邪とコロナ
 風邪の原因になるウイルスは百種類ほどあり、その中にコロナウイルスは4種類あります。コロナウイルスを元にした風邪はアジアに多く、欧米ではポピュラーではない。日本では一般的な鼻風邪系統です。
 新型コロナウイルスは、その一般的な風邪のウイルス4種やSARSの親戚です。似たようなウイルスが来た時に働く免疫を「交差免疫」と言って、日本人はコロナ4種の風邪を引いた時におそらく「交差免疫」ができていて、新型コロナにかかっても軽く済んでいるのではないか。そうした研究があります。
 またコロナウイルス以外の風邪でも、引いた直後には感染予防効果があることがわかってきました。風邪を自然に経過することで心身の不自然な偏りを一掃できますが、「風邪の効用」の新しい側面と言えます。
 新型コロナも、初めは風邪と見分けがつきませんから、「風邪かな」と思ったら、まず足湯。熱が上がってきたら後頭部のてあて、咳が出てきたら肘湯や鎖骨のくぼみのてあて、心身をゆるめ暖かくする、汗を冷やさない、水を飲む、平温以下になったら休む。といった方法で「自然免疫」が働きやすくなり、仮にCOVID-19感染だったとしても、スムーズに経過する可能性が高くなります。(『季節をめぐる気功』参照)
 しばらく風邪を引いていない方は、しっかり気功をして感度を上げ、必要があればすぐに風邪が引ける体を取り戻しておきましょう。

 初めての技術
 そして、ワクチンは「発症を抑制するけれども感染そのものを防ぐのではない」ことに注意が必要です。
 接種券同封の説明書には、
「現時点では感染予防効果は明らかになっていません。ワクチン接種に関わらず適切な感染防止策を行う必要があります」「ワクチンを受けた人が受けていない人よりも、新型コロナウイルス感染症を発症した人が少ないことがわかっています」とあります。打ったからもう大丈夫、と思いたいところですが、過信は禁物。効果の持続期間も不明で、欧米では3回目の接種を検討中です。

 そして今回、遺伝子技術を用いた「メッセンジャーRNA(以後mRNA)ワクチン」が初めて接種され、開発から一年という超短期間で特例認可されています。実施しながらデータを集め治験を行なっている状態で、長期的な安全性は不明です。
 病院勤務者のアンケートを見ると、初回より2回目、また若い世代ほど強い副反応が出ていて、男性より女性が強い傾向があります。欧米の摂取量と同量ですし、細胞内反応が活発な方ほどたくさん抗原が作られるでしょうから、小柄で元気な若い女性は特に注意が必要。血中に拡散したワクチンが肝臓、脾臓だけでなく、副腎と卵巣に集まるという特例認可申請時のデータも公開されているので、子どもを授かる可能性がある方にはおすすめしません。妊娠・授乳中も避けるべきでしょう。

 DNAとmRNA
 今回、従来と決定的に違うのは、標的抗原となるスパイクタンパクを「自らの細胞中で産生する」まるでウイルスのようなワクチンであること。それは、史上初の大実験です。
 私たちの全ての細胞にはDNAがあり、その中に遺伝情報が書き込まれています。その情報を鋳型のようにコピーしてリボソームに運び、必要なタンパクを作るのが「mRNA」。今回のワクチンはコロナウイルスのRNAの中から、表面の突起部である、スパイクタンパクを作る情報だけを切り取って、ナノ粒子の油脂の皮膜に包んで注入するものです。

 侵してはならない領域
 mRNAを使ったコロナワクチンの研究は動物で先行していましたが、未だに成功していない現状です。原子力技術の安全性を過信したことが誤りだったように、遺伝子技術への過信も危険な面があります。
 長期的に重篤な副反応を招く原因として考えられているのは、免疫による感染力の増強(=ADE)だけではなく、「免疫寛容」が起こって抗原が細胞に残ることで、次に感染した場合に正常細胞まで攻撃される可能性です。可能性としては低いですが、外から侵入した異物ではなく、自身の細胞で作る抗原なのでゼロではありません。
 私たちはこれまで、無数のウイルスや細菌たちと共生しながら進化し、生きてきました。自己と非自己とを分け、今自分に必要な仲間と、そうではないものを識別していく働きが「免疫」。とても精妙で神秘的な働きですが、時々間違えて異常細胞が増えたり、正常細胞を攻撃することもあります。ガンなども、誤って免疫寛容されてしまった異常細胞と言えるかもしれません。
 遺伝子技術は、この生命活動の根源的な領域に他動的、人工的な痕跡を残す可能性があります。急ぐのではなく、むしろ一度立ち止まって根本から見直すべきです。

 生命を尊ぶということ
 免疫はとても複雑なチーム戦です。出入り口で感染を防ぐ部隊、24時間体制でいつもパトロールして侵入者や異常細胞をお掃除する部隊、秩序を乱す犯人を学習しては狙って仕留める部隊。ワクチンはその最後の学習機能を利用するものですが、若者が発症も重症化もしにくいことを考えると、コツコツといつも働く免疫系全体の活性を上げていくことがとても大切と思います。
 医療は、常にリスクとメリットのバランスを考えながら、個々に処置を決定していくものです。
 ファイザーワクチンの説明書には「16歳未満についての有効性、安全性は確立されていない」と明記されていましたが、適用がなぜか12歳まで引き下げられました。子どもたちにとっては死に値する危険なウイルスではないのに、なぜわざわざワクチンを打つ必要があるのでしょうか。ワクチンを打てば安全ですか。集団免疫は本当にできますか。答えはわかりません。確証のない架空の安全確保のために、元気な子どもたちの身体に負担をかけるようなことがあってはなりません。

 どんな治療をしても、ワクチンを打っても、最終的には、治るのも、免疫を作るのも、自身の体の働きです。私たちは、四季の変化に即して抵抗力を上げていくことも、弱いところを見つけて強くしていくことも、得意な働きを伸ばしてもっと元気に生きていくこともできます。病を恐れ、防ごうとするのではなく、適度に風邪を引き病気にかかりながら、免疫力を上げ、抵抗力をつけ、身体機能を十全に働かせていくことが大切です。そうした天然の働きの活性化こそが、本質的なコロナ対策と言えるでしょう。

 

気功的処方

すでに接種した+打つ予定
 →「疫苗(ワクチン)の気功」。
 どの予防接種も「肝臓のてあて」は必須。中毒症状や薬害などを改善するのは大部分が肝臓の働きです。
 集団接種は避け、かかりつけ医で。夫婦同時も避けます。

迷っている
 →不安と闘うのではなく、まずは心を落ちつけ、よく自分の体に聞いて決めてください。みぞおちが硬い時はNoのサイン。接種する自由も、しない自由も大切。他人に強制されることがあってはなりません。

打たない+全ての人に
 潜在的な不安をできるだけ少なくし、自然免疫の力を高める。
 →「心がおちつくやさしい気功」
  「ころなの気功」を毎日。
  「疫苗の気功」も、排泄を促し、免疫を高める気功ですので、梅雨の季節にピッタリです。

疫苗の気功 動画
接種後すぐ、15分の待機時間に
手のひらで肝臓を温めて
体の排泄力を高めましょう。
 家に帰ったらその日のうちに、
 肝臓を温め、盲腸と、
 化膿活点のてあても。

肝臓のてあて
 接種を終えて座ったら、ふーっとゆっくり大きく息を吐いて、心身をリラックス。3回。
 右肋骨の下部、肝臓の位置に手を重ねて、ゆっくり楽に息をします。リラックスして無心に、手のあたっている処に集中します。表情をゆるめてわずかに微笑み、少しゆれると、心がおちつき、体内の解毒排泄と免疫機能が正常に働きやすくなります。
 ワクチン接種後のいちばん基本のてあてです。
 肝臓は、体にとって不要なものを分解し排泄する、広い意味での免疫活動の中心。翌日に下痢の形で排泄されることが多くあります。 
 温めることで肝臓の活性は上がります、小型のアイロンで肝臓を温め、その後にてあてをすると効果的。温度設定は弱、服の上に手ぬぐいをかけ、ゆっくり動かしながら数秒温め、アイロンを置き、手をあてて熱を染み込ませることを繰り返します。じわっと染み込む、とても気持ち良い温度刺激です。

盲腸のてあて
 盲腸のある、右下腹部にてあてをします。軽く押さえて、少しおへそに寄せるように。
 盲腸は腸内免疫の詰所。細菌バランスも調整しながら排泄しにくいものをなんとか排泄しようとします。
 
化膿活点のてあて
 上腕の真ん中あたり、外側に手をあてます。
 小さなリンパ節があるところ。化膿や炎症反応を鎮め、血液や免疫の異常を改善する急処です。

2021.05.05

気功生活 Vol.124

気功生活124号表紙

拡がる

求められるものが、
求める人のもとへ
次々と。

【目次】

広く深く  天野泰司
初夏の養生
2021総会 北白川気功散歩 告示
会計報告 蔦町基金収支報告
The Book of Life 3/214/3
ころなの気功
講座ノートから
コラム 予防以前に大切なこと
地上の楽園  吉田純子
つれづれ遊湯記  あや
禅密の誘惑 お知らせ


広く深く

天野泰司

蔦町御礼

初夏に入り、蔦町の新事務所は新緑と苔が美しくなってきました。玄関前の路地には草花を少しずつ増やし、伊織町から移植した株立ちの紅葉はふさふさに葉を茂らせて、風に揺れています。時折、野鳥も水浴びにやってきます。
ほんとうにたくさんのご寄付、お力添えをありがとうございました。2年越しで募集してきた蔦町基金は、おかげさまで満額となりました。コロナ禍という経済的にも厳しい時節に、これだけ多くのご寄付が集まるというのは、ほんとうに貴重なことです。心から御礼申し上げます。

全国とつながる

蔦町に移ってから、Web配信がとてもやりやすくなり、静かで落ち着いた環境で、集中して、深くわかりやすく気功をお伝えできるようになりました。コロナ禍の中、やむなく手探りで始めた配信でしたが、外出が難しい時はもちろん、距離があったり時間が合わずに講座に参加できない全国の方々と改めてつながり合えている実感があって、とても素晴らしいと思います。チャンネル登録者もゆっくり着々と増え続けていて、1120人になっています。

撮影もいろいろと工夫しています。障子越しの日差しが明るいので、天井の電球を40wから100wに付け替え、ビデオ用の照明も斜め正面からあてるようにしました。
新春の「気功の学校・ゼロ」では、冒頭、青木隼人さんに演奏をお願いしました。青木さんが音量調整をしながらギターを弾かれ、私がそれに合わせて自然に動くところから始まります。リラックスした集中感のある贅沢な配信になりました。まだご覧になっていない方もYouTubeを見る環境があれば、アーカイブ(配信済の動画記録)で受講できます。初めての方はもちろん、気功の学校卒業生にも、とてもおすすめです。
パソコンがなくても、スマホをお持ちでしたら、ケーブルでテレビにつないで大きな画面で見ることができるようです。天野家には今、テレビがないので、お近くの家電好きの方に聞いてみてください。
そして、この5月からは、お待ちかねの「禅密Web 」第三弾、「陰陽合気法・天地部」が始まります。基礎を深め、体を動かしながら外界の自然の気と交流します。気感がつかみやすく、天地の気と響き合うことで不思議に元気になってしまうので、禅密功に興味を持たれた方は、ここから受講されるのもよいでしょう。

Webを通じて気功の裾野が広がっていく一方で、好評の「蔦町気功の会」では、埋炭の効果もあってか、静かに自噴しているような心地よい気の場で、少人数の深まりあるレッスンが展開しています。蔦町基金で設置した畳の床暖房は大正解で、ペアガラスの木製建具の高い断熱性と相まって、冬も快適でした。今までの教室では難しかった深いリラックスが自然にできてしまう環境がここにあります。ぜひ足を運んで、蔦町での気功を体験してください。
この時代に真に求められている気功を深く探り、やさしく広げていく準備が、この地で着々と進んでいます。

2021.03.27

気功生活 Vol.123

冷と温
虚と実
陰と陽
分かれて惹きあう

【目次】

春きたる   天野泰司
勧進・蔦町基金
春を呼ぶ お茶と気功ノ会
特集・温める 尾骨の焼塩温法
アイロン温法
温タオル法
The Book of Life 1/22・2/22
気功の学校・ゼロ ノート
春の養生
気功の学校Self 30期感想& 31期
季節の気功・如月 講義録
蔦町邂逅    吉田純子
お知らせ


春きたる

天野泰司

蔦町の春

蔦町に越してきて、そろそろ半年になります。「蔦町気功の会」も定例となり、静寂で清々しい場の力もあって、自らと深く向き合う体験が積み重ねられています。また、アイロン温法や温タオルなど、道具が必要な方法が直接伝えられるようになりました。旧暦新年のお茶会には「尾骨の焼塩」を組み合わせ、とても充実した時間を過ごしました。個人けいこも、その人にあったレッスンがやりやすくなり、みなさん喜んでお帰りになります。ひと枠30分の時間の中でお伝えできることはリクエストに応じられますので、どうぞご相談ください。

動画配信はパワフルです。機材を徐々に充実させ、青木隼人さんの大きな援助のもと、安定してお届けできるようになってきました。YouTubeのチャンネル登録者は当初の目標1000人を超え、増え続けています。まだの方は、ぜひ一度ご覧ください。
庭や塀など、外回りは山下良文さん組が引き続き進行中です。雨が降るたびに海になっていた東の庭に土を盛って排水を改良。入口の通路「蔦の細道」には草花を植えられるようにふかふかの土を入れていただきました。苔の緑も手植えで少しずつ増やしています。

もうすぐ満額
2019年の春から、約2年越しで取り組んできた新事務所「蔦町の家」プロジェクト。本当にたくさんの尊いお力添えをいただき、おかげさまで2月末現在343万円の基金が集まり、目標の390万円まであと47万円となりました。
庭や塀など外周りの費用、iPhone用マイク、交換レンズなど、導入したい配信機材もあり、今回を「蔦町基金」最終の呼びかけといたします。会費の納入と合わせて、または専用の振替用紙でお送りください。手渡し、Syncableを通じての寄付も歓迎です。HP左上のボタンから。

好評の4月始まり「気功協会カレンダー」、CD「Self」「Life」、DVD「心がおちつくやさしい気功」「肩の荷がおりる気功」各2000円、パンフレット「季節の気功」300円も、ご寄付となります。CDは在庫限りです。この機にどうぞお求めください。そして、自分や家族はもちろん、友人や潜在的に気功を必要としている方々へ、あなたから気功を手渡してあげてください。

春に入って骨盤がふつふつと動き出し、いちばん体の変化の大きなタイミングになります。「心がおちつくやさしい気功」「肩の荷がおりる気功」を続けましょう。
コロナの全世界的な災いを経て、生き方や社会のあり方そのものが問い直されている今だからこそ、気功の役割はより大きくなっていくでしょう。こんな時だからこそ、みんなで根っこのところから気功を支え、すくすく育て、自然を土台とした新しい社会のビジョンを共有し、広げていきましょう。もちろん自分もその恩恵をたっぷり受けながら。
新規の会員も募集中です。ともに自然の道を歩む仲間を着実に増やしていきましょう。

2021.02.24

気功生活 Vol.122

明ける

暗から明へ
明から暗へ
そしてまた暗から明へ。

【目次】

待望の「ゼロ」   天野泰司
気功の学校・ゼロ 〜1/16より配信開始!
禅密伊勢合宿 報告
保存版・禅密気功 基本功
The Book of Life 11/23・12/25
講座ノート「心と体の大掃除」
微笑みの気功
コラム・コロナを超えていく     天野泰司
冬の養生
一粒万倍     吉田純子
講座案内・お知らせ
→続きを読む

2021.02.24

気功生活 Vol.121

新生

日々刻々と
全てを手放し、
日々刻々と
全てを受け取る。

【目次】

主役は私   天野泰司
晩秋の養生
蔦町始動 !
蔦町の家9   森田 徹
集まって 大きな力へ 〜蔦町基金 中途報告
The Book of Life 9/24・10/25
明日から   吉田純子
講座あんない・お知らせ
→続きを読む

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