気功協会は、人と社会の健康を促進するNPO法人です。
私たちがお伝えしている気功は、自然でやさしいからこそ、心身への効用は幅広く、副作用はほとんどありません。そして、自分の生活リズムに合わせて、無理なく楽しみながら続けることができます。
体をゆする、ぶらんぶらんと腕をふる、ゆっくり首をまわす、ぽかんと口を開いてあくびする、ほっと胸をなでおろす…。誰もがしている動きを、ていねいに気持ちを集めて行うと、とても効果的な気功になります。まず無料の動画で体験を。心身が深いところから軽くなり、スッキリするだけでなく、気づけば生活全体が楽しく、ほがらかになっているでしょう。
「簡単なのに、とても楽になる!」と驚く方も多いと思いますが、最初からこうだったのではなく、長い研鑽と試行錯誤、貴重な縁が折り重なって、最終的にこの限りなくシンプルな形にたどりついたのです。
気功は、1950年代の中国で生まれました。患者自身が行う健康回復法として普及し、無数の流派や方法が生まれ、庶民の健康法として公園などで盛んに行われました。その源流は、古代より伝わる養生法や中国医学、座禅や密教の瞑想法、不老長生を求める道教の内丹術、武術の基礎練習など、とても幅広いものでした。
加えて私たちは、日本の気候風土で育った古来の健康法、野口整体、野口体操、操体法、快医学などにも着目。最新の医学研究や心理療法も参考に、広い範囲で研究を進めるうち、それぞれの違いや矛盾をどう整理すればよいか悩みました。このとても大きな壁があったからこそ、共通の自然の原理だけが残り、必然的にシンプルな気功が生まれたのです。
どんなに素晴らしい方法でも、難しすぎたら役に立ちません。シンプルでやさしいから、自分でできて、大きな力を発揮するのです。
大自然は、精妙なバランスを保ちながら日々刻々と変化し、この地球環境を成り立たせています。そして、私たちの体の中にも、大いなる自然の働きが常にあります。気功協会がいちばん大切にしているのは、この「からだの自然」です。
私たちが生きているのも、怪我や病気をしては回復するのも体に備わる自然の力です。健康のためにと努力して、その自然を乱したら本末転倒。自然の原理に適っているか、体に負担をかけることがないか、問いかけながら方法を選ぶ必要があります。
気功を始める時は、まずリラックス。ゆるんだまま動き、さらにゆるみを深めて終わります。緊張をほどいて楽な気持ちいい状態になると、心身ともに自然でいられるからです。
無理をしていないようで負担を背負い、眠っている時ですら手放せない緊張があるものです。そして、それに気づいていない。だからこそ、やさしくふれたり、ゆっくり息をしたり、楽に動いて、ていねいに体と向き合い、対話を深め、ありのままの自分に気づくことが大切なのです。
気功をしていると、やさしいことを繰り返しているのに様々な気づきや発見があり、深まりがあります。それは、目に見えないものへの感受性が育つから。外側の自然と私が響き合う体感は、他人や動植物を大切にし、平和で住みやすい地球環境を護ることにもつながっていくでしょう。
気功協会が目指しているのは、健康で幸せな人が着実に増えていくこと。もし私という一人が、とても簡単な方法で、自分で健康度を高め、心豊かな日々を過ごせるとしたら、一人またひとりと健康人が増えて幸せな人であふれることでしょう。
私が元気になり幸せになることは、世の中全体の元気と幸せに直結しています。自分自身が輝いていること、そして他人の中にある輝きを見て引き出していくことも、とても大切な社会貢献です。
この、やさしい気功を楽しんで、遠慮なく健康になり、縦横に幸せを享受してください。良いと感じたら友人にも紹介してください。
私たちが学び育てているのは、いわば「大自然の公法」で、誰が所有するものでも独占するものでもありません。小学校で読み書きや計算の基本を習うのと同じように、自然な立ち方、座り方、動き方、緊張が抜けない時のゆるめ方、心の落ち着け方、自然の流れに沿った無理のない、心地よい生き方などを、全ての人が学べる時代を拓きたいと思います。
気功協会は、自由で広々とした学びと交流の場です。自然が先生で、私たちは共に学ぶ生徒。権威的で重い空気も、上下関係もここにはありません。こうした開放的で自然な学びの場は意外に少なく、囲いこみ縛りあい、競合や依存に繋がれてしまうことも。
自然を深く学ぶには、自由闊達に心が働いていることが必要です。私たちは、無邪気でまっさらな、小学生のような気持ちで共に学んでいける場を育ててきました。気功協会は、そのままの自然な私でいられる場。一人ひとりの存在、「いのちそのもの」を尊重する空気がここにあります。
豊かな自然環境を護るには、まず自然破壊の現状を知り、介入を最小限にしてできるだけ負荷をかけない「ローインパクト」な気配りが必要です。私たちの生命力や自然治癒力を活発にするにも、同様の気づきと配慮が欠かせません。自分自身との対話を深め「からだの自然」に気づき、護り育んでいきましょう。
なんとなく体調が気になる。そんな時こそ、体に目を向けて、自然の働きを高める好機です。また「私は健康」と思っていた方が、隠れた不調に気づいて体調や生活が大きく好転することもあります。
自然でやさしい気功は、赤ちゃんから高齢者まで、あらゆる年代の役に立ちます。からだの自然の働きを高める方法は、病気があれば回復をスムーズに、元気であればその健康度をさらに高めます。私たちが考えている健康とは、単に病気がないことではなく、心身が十全に、自然に働いていることで、自然の働きがそこにあふれている時には、幸せで満ち足りた感覚が伴うものです。
健康の土台となる心身の基礎体力が培われるのは、お腹の中ですくすく育つ胎児期。次いで生まれてからの約1年、3歳まで、成長期、思春期、そして身体の成長が一通り完成する成人期までとなります。その意味で、子育て中のお母さんお父さん、子どもが欲しいと思っている方に特におすすめです。
気功のお手本は、赤ちゃんや子どものしなやかな心身。若い方や勘の良い方は変化が早いし、ずっと頑張ってきた方ほど、ゆるんで楽になる度合いが大きいものです。
親子やご夫婦で参加されている方が多いのも、気功協会の特色です。
瓜生山のふもと、緑が豊かで疎水が流れる京都北白川。静かで落ち着いた環境に、気功協会の事務所があります。京都大学や京都芸術大学にもほど近く、個性的なお店が点在し、自由で伸びやかな空気に包まれています。京都という土地柄か、教室には海外や遠方からの参加者も。
2007年大阪府高槻市から北白川に移転、そして2020年、皆さんのお力添えで北白川蔦町に新事務所が完成。清々しい気の場が誕生し、活動がさらに豊かで自然になりました。会報「気功生活」やWebサイト「気功のひろば」も充実し、より強力なメディアに育っています。また質の高い動画配信が毎月定例となり、みなさんと直接につながっている実感があります。たくさんの先達がいて、ずっと支えてくれている人がいて、新しくつながっていく縁もある。そのどれが欠けても気功協会はありません。
運営責任者の天野を含め、2人のスタッフで企画運営や事務をしています。NPO法人気功協会の気功は、ただ健康になるだけでなく、心身がゆるんで自然な感覚が育つので、身体の声にしたがって自由闊達に動けるようになり、本当の意味での自立が進みます。その道筋を案内するのが気功協会の役割で、活動の主体は、会員のお一人おひとり。みんなが憩うように集まってくる緑豊かな公園のように、自由で伸びやかな「ひろば」でありたいと思っています。どうぞ自分らしく、この場を楽しんでください。
2023年9月吉日 NPO法人気功協会 運営責任者 天野泰司
1965年東京生まれ、宮崎育ち。京都大学農学部卒、京都北白川在住。「やさしくて、自然で、心身が元気になることは全部が気功」と再定義し、自然法則にそってすっきり整理整頓。深い内容をやさしく伝え、シンプルな気功ですっと心身がゆるみ整う授業には定評がある。
大学時代から生命科学に興味を持ち、気功や東洋医学、心身技法を幅広く研鑽。大手食品会社研究職を経て関西気功協会事務局長として企画運営。多数の信頼できる先生や技法と出会い、気功が秘めた大きな可能性と同時に限界をも感じる。神秘主義や個人崇拝につながり特定の思い込みを作ってしまいやすいこと、多くの師に学ぶほどに相互矛盾が浮き立ってくること、お産や子育てに関する気功がほとんどないことも大きな疑問だった。
子どもの誕生を機に野口晴哉氏の整体を集中して学び、その空白を埋めていけることを確信。また身体感覚を高めていくことで、その時々の自分に合った気功を自由に作れると分かり、疑問や矛盾がほどけていった。
1999年、諸般の事情で関西気功協会を解散せざるを得なくなった時、新しい「気功協会」が必要としていた新しい縁がいくつも立ち上がってきた。
12月、禅密功の始伝人、劉漢文先生が来日。気功を学び始めた頃から中心として学んできた禅密功、その創始者に初めて直接学ぶことができた。折しも法輪功事件の直後、中国国内で気功が普及できなくなった時期と重なり、翌年中国大連で研修旅行を組むことがその場で決まる。以後、劉漢文先生の最晩年に4年間、禅密功の真髄を惜しみなく教わり、気功への概念が一変。偉い先生がいるわけではなく「自然を師として学ぶ」気功協会のスタイルは劉先生から引き継いだもの。「背骨が中心、性の働きを重視、からだの自発性を尊重する」など、整体との共通点も多く、禅密功は自ずと気功協会の中心功法となった。
2000年、氣道協会代表の長谷川淨潤先生を京都に迎え講座を開催。野口晴哉氏の整体を主軸に、ヨガ、操体法、快医学、各種自然療法、心理療法などを矛盾なく統合されてきたことに感服。定期的に講座をお願いしながら、気功協会にも様々な技法を整理するための「心身の基本文法」が根付いていった。
4月、長女たまが京都山科の一燈園小学校に2年生で転入。行事に参加しながら創始者西田天香さんの大自然の働きを拝む「無所有・奉仕」の思想にふれ、気功協会設立への精神的支柱となった。権威的にも独善的にもならず、他と競い争い合うこともない天香さんのあり方。純粋無垢で中立的でありながら、すっと芯の通った中心が保たれている一燈園という生活の場が長く続いてきたこと。これらは新しい気功の組織を編成していく上で、陰に陽に影響を与えてくれた。
2000年5月、有志とともに「気功協会」を任意団体として設立。
2001年、NPO法人として認証を受け、その運営責任者となる。代表世話役は医師・吉田昭子氏、のちに退任。その後の活動は「気功協会のあゆみ」参照、現在に至る。
2000年 | 6月1日 | 任意団体のNPOとして活動開始 |
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10月 | 第1回「劉漢文先生から禅密功を学ぶ旅」中国・大連 | |
2001年 | 3月28日 | NPO法人として認可される |
4月10日 | NPO法人として活動開始 高槻市北園町に事務所を置く |
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9月 | 第2回「劉漢文先生から禅密功を学ぶ旅」大連 | |
2002年 | 4月 | 「気功の学校」講座初開講 |
7月 | 第3回「劉漢文先生から禅密功を学ぶ旅」大連〜丹東 | |
2003年 | 9月 | 第4回「劉漢文先生から禅密功を学ぶ旅」天津 |
前身の関西気功協会の解散を受け、全国の気功愛好者がつながり合う形で気功協会が発足。設立初期は、会員や友好団体が相互に学び合う形で、多彩な講師の気功や整体等、各種講座を活発に開催し研究と交流を深める。同時に禅密功の始伝人・劉漢文先生に直接学ぶ中国への研修旅行を毎年開催。
「自然を師として学ぶ」気功協会の骨格がほぼ完成する。
2004年 | 12月 | 『からだの自然が目を覚ます 気功入門』(春秋社)を出版 |
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2006年 | 3月 | 気功の学校「卒業旅行 杭州・西湖」 |
4月 | 通信講座「気功の学校Self」初開講 | |
9月 | 『うごいてやすむ 幸福になる気功』(春秋社)を出版 | |
2008年 | 1月 | 高槻市南松原町に事務所を移転 |
4月 | 『生まれて育つ いのちの気功 幸せなお産と子育てのために』 (春秋社)を出版 |
創成期の貴重で濃密な学びと交流から、『気功入門』『うごいてやすむ』『いのちの気功』、初期3部作を刊行。「自然」を軸に、気功・健康・出産育児がひとつにまとまり、気功協会で生まれ育った「新しい気功」を世に送り出す。杭州西湖畔での卒業旅行は動画撮影もかね、通信講座の開講につながった。
2009年 | 7月 | 京都市左京区北白川伊織町に事務所を移転 |
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2010年 | 9月 | 『気功の学校 自然な体がよみがえる』(ちくま新書)を出版 |
2011年 | 3月 | 東日本大震災と福島の原発事故の発生を受けて「心がおちつく やさしい気功」を制作し普及 |
3月 | YouTubeチャンネル開設 | |
6月 | 「心がおちつく やさしい気功」動画公開 | |
2013年 | 4月 | 京都芸術大学(旧・京都造形芸術大学)通信教育課程「身体」開講 講師は天野泰司、テキスト『からだの自然が目を覚ます 気功入門』、課題「心がおちつく やさしい気功」 |
4月 | 『治る力 病の波を乗りこなす』(春秋社)を出版 | |
5月 | 『子どもの幸せのために ほんとうに大切なこと』(PHP研究所)を出版 | |
12月 | 「肩の荷がおりる気功」を制作し普及 | |
2016年 | 8月 | 『はじめての気功 楽になるレッスン』(ちくま文庫)を出版 |
2017年 | 12月 | 修学旅行 台湾・日月潭 |
思いがけず京都北白川へ移転した後、新書の執筆と大学講師の依頼が思いがけず舞い込む。東日本大震災と福島の原発事故をきっかけに「心がおちつく やさしい気功」「肩の荷がおりる気功」が誕生。学生のレポートを添削しながら、予測を超えたあまりの効果の大きさに驚く。がん療養法をまとめた『治る力』、子どもの成長期に光をあてた『子どもの幸せのために』、『うごいてやすむ』を全面改訂・文庫化した『はじめての気功』を出版。
気功協会の力を次々に引き出すように、様々な縁が働き、実っていった。
2019年 | 3月 | 新事務所建設に向けての動きが始まる |
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5月 | 会報「気功生活」がカラー印刷に | |
2020年 | 2月 | 『季節をめぐる気功 この一年で身体が変わる』(春秋社)出版 |
3月 | コロナ禍のため、配信講座を開講 | |
6月 | 「気功Monthly Live」月イチ無料配信を開始 | |
10月 | 京都市左京区北白川蔦町、現住所へ事務所移転 | |
2022年 | 4月 | 朝日カルチャーセンター京都教室の移転縮小に伴って「季節をめぐる気功」(ACC中之島)、「京の気功入門」(気功協会主催)講座を開講 |
9月 | WebSite「気功のひろば」リニューアル |
集大成的な本『季節をめぐる気功』を刊行し、気功と自然との関係をさらにわかりやすく伝える。
2018年の大阪府北部地震で実家が倒壊、売却資金を元に北白川蔦町の家屋を入手。構造的欠陥が発覚し、改修の予定が新築に急転換。物心両面の支援に支えられ、素晴らしい気の場の新事務所が竣工。気功をやさしく広く伝えていくための基礎が完成した。
コロナ禍も重なり、並行して配信講座を開講。配信をしやすく考えた新しい広間に、「通信講座Self」での動画機材、YouTubeを利用した大学の授業、「修学旅行・台湾」のために入手したiPhone、音声に強い助っ人など、気功協会ならではの資産と経験が折り重なって、手探りだった配信が充実。
初心者・経験者問わず参加しやすいクラスが2つ誕生。Webサイトを全面改訂。
大自然とひとつながりになっている、身体や生命。その深さをどこまでもシンプルでやさしく追求していく流れは、これまでも、これからも変わらない。
2001年、NPO法人として気功協会を設立した時に作成し、認証を受けた設立趣旨書です。
気功の要点と、現代社会における気功の必要性が簡潔にまとまっています。
現代社会は物質的な豊かさを獲得した一方、精神的あるいは身体文化的に大切なものの多くを見失い、また環境問題、生活習慣病の増加や教育現場の崩壊に代表される様々な問題を引き起こしてきました。これらは、生活が便利になり自然と切り離されていくうちに、もともとあった自然の感覚が使われなくなり鈍ってしまった結果でもあります。
気功協会はこうした状況を鑑み、気功という貴重な心身文化・生活文化を振興し、よって人が本来持っている自然の感覚を復興し、人と社会の全体的な調和と真の幸福を実現することを最終的な目的としてここに設立します。
現在日本国内に気功をネットワークする公的組織はなく、中立的な立場で繋がりあうための非営利の法人が求められています。また気功についての考え方も様々で、その名称を使って神秘的な嘘をつき人心を惑わせたり、特定の個人を盲信させるような犯罪的行為が頻発する中、気功という大切な文化を支え、発展させ、正しく世に伝えるために、特定非営利活動法人として気功協会を発足させる必要があります。
心身をゆるめ、自然の感覚を働かせることが、健やかな心身を育み、
いのちを花開かせるために必要な共通の土台です。
私たちは「自然のからだ育てとしての気功」あるいは「気功的考え方」を積極的に広め、とくに人間性を育む基礎となる出産育児や教育の現場に定着させていきたいと考えます。
気功では、自分のからだが一番の先生です。
自らの感覚を信頼すれば、自ら考え、動き、整うことができます。
私たちは、「からだとの対話としての気功」を広めることを通じて、人々の健康になる力を引き出し、自立を促します。
そのためにまず、会員それぞれが自由で対等な立場で主体的な活動を促進しあう交流の場を大切にし、その輪を大きく広げていきます。
私たちは様々な源流を持つ「貴重な身体文化、精神文化としての気功」を積極的に楽しみ、将来の世代へ引き継いでいきます。
気功は特別なものではなく、むしろ生活の中になじむものです。
私たちは、老若男女だれもが気功を学ぶ機会を持ち、自ら主体的に心身を整えたり、生活を豊かにしていくことができるよう、気功や気功的生活に関する生涯学習の場を、他の市民団体や行政機関とも協力しながら整えていきます。