胸をなでおろすこと、ゆっくり息を吐くこと、楽に気持ちよく動くこと……。
心がふさいでいる時には、体もこわばっているもの。そして、すこしずつ体がほぐれていくと、心も元々の明るさを取り戻していきます。
気功は、私を大切にする心地よい時間。生活リズムに合わせて、朝や就寝前、ほっとできる休憩時間に、この10動作を行ってみてください。たんたんと気持ちよく、ひとつひとつの動作を繰り返していると、1週間ほどで心身の明瞭な変化を感じるでしょう。
やさしく自然な方法で、からだの中にある大自然の働きに気づいていきましょう。
気功協会運営責任者 天野泰司
ゆっくりやわらかく、いたわるようにやさしく。手の甲や手首、ひじなども、気持ちよく。
手のひらから全身へ、心地よさが広がります。
手のひらの気持ちよさを感じながら、やわらかく顔をなでます。額を開くように広げて、耳をなで、あごに戻ってきます。
首もわずかに動き、どこかほっとした穏やかな心持ちになります。
前から後ろへ、頭をなでます。
耳の後ろからあごのあたりまで、ゆっくり気持ちよく。ザーッと流れ落ちていくように。
指の間に耳をはさんで、しっかり耳をこすります。気持ちよく感じる強さと速度で。体がぽかぽかとあたたかくなり、元気になります。
胸の前に手のひらを重ねて、息を吐きながら、ゆっくり胸をなでおろします。
ぶらんと頭をぶらさげて、首をまわします。ゆっくりゆっくり、楽に気持よく。
痛みがある時には、自然に痛みを避けるように、心地よい範囲で。
ゆっくり波のように体をゆらし、おだやかで心地よい動きに身をまかせます。しなやかにとぎれなく自由に背骨がゆれます。
ふーっと、楽に、気持ちよく。吸う息は自然にまかせ、くりかえし、ゆっくり楽に。一息ごとに体のゆるみが深まっていきます。
ふわーっと腕を広げて、私を抱きかかえるように、胸の真ん中にそっと手のひらを重ねます。胸の奥がぽっと暖かくなり、自然に心がほどけます。
ゆっくりていねいに、気持ちよく。手のひらで下腹を支え、「うん、大丈夫。」とつぶやいて終わりましょう。足腰に力が満ち、心の揺れがおちつきます。