やさしい気功を伝えるために
15周年の記念講座「やさしい気功を伝えるために」。
前日の御所散歩に引き続いての参加者も。
午前中のお話中心に、まとめました。
2015.5.31 於:山科和室 天野泰司
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私たちが、生まれる以前から、あるもの。
死んでも続いていくもの。
物理的ないのちより、大切なものがある。
気は分け隔てなく流れている。
意識的な、自分で作った枠から離れ、広々とした世界に入っていく。
それを体験するのは、やさしいこと。
そのひとつに、
「心がおちつく やさしい気功」がある。
2011/3/11、震災から大きく何かが動いた。
その出来事とは別に、さまざまな「余分なもの」を
付け加えるほど、修復が遅れる。
日本中、世界中の心配の嵐。
「これはたいへんなことになった」という不安が
本来の強い修復力が働くときの大きな壁になる。
それを少しでも崩して、治癒力が必要であれば
スムーズに起こるような状態に、と
「おちつく気功」を作った。
手をなでる、顔をなでる。胸をなでおろす。ゆれる、足腰をなでる。
すべての基本は「愉気」=気を集めること。
無色透明な、何もない感じが、必要なところにすっと集まっていく。
作った時に、ひとつひとつの動作に大きなメッセージはなかったが
この気功が、ひとりでに歩き出し、動き出している。
京都造形芸術大学の、通信教育「身体」の科目で使うようになり
7日間、「おちつく気功」をされた後のレポートを読むと
「単位を取る」という目的があることで、それが外的方便となって、
自ら見つけ、興味をもって取り組んでいることがわかる。
ひとつひとつの動作について。
「手をなでる」「顔をなでる」「頭をなでる」。
精子・卵子が結合して、頭ができ、発達していく過程で皮膚ができ、掌ができた。
頭と掌はつながっている。頭と、皮膚も深くつながっている。
また、頭皮をなでるのは脳をなでるのと同じ。
なでていると、無意識に前後運動が起こる。
こうしたことが相まって、神経がゆるみ、不安や心配が解消される。
顔をなでることで消化器や感情の調整になる。
「耳をこする」。
耳は、本能的な骨盤の働きとつながっている。
こすることで、体に勢いが出て、「熱い」感じを持つ人が多い。
神経系統と骨盤の系統、両方に変化がある。
「胸をなでおろす」。
ことばの表現「意」が「気」とつながり、ほっとした気持ちになる。
過剰なエネルギーが、自然におりてゆく。
「首をまわす」。
ゆっくりなこと、楽な範囲で動くことが、何よりも大切。
レポートを読むと、多くの人がここで発見をしている。
「ここが痛い。」「こんなに動かないところがあったんだ。」
まだまだほぐれていないところがあることに自ら気づき、
続けているうちに、4日目くらいから「ゆっくり」痛みを避けて、
回るようになってくる。
今はpc、スマホの普及で、多くの人が骨盤中心の力が使いにくくなっている。
首が変わると、頭が変わる。考え方が変わり、腰が変わる。
首の調整というのはとても難しい。
それを、自ら発見するところに大きな意味がある。
「体をゆらす」。
首がほぐれているので、背骨が動きやすい。
「好きなほうへ自由に動く」ということは、子どもの時、みんなしていたこと。
そうしてやっている内に、姿勢が変わり、その人らしさが出てくる。
それは、その人の「今」が変わるということ。
その効果はとても大きい。
「ゆっくり息を吐く」。
体がゆるみ、リラックスが深まる。
「自分を抱きしめる=胸のてあて」
胸に手をあてることで、自分自身の深いところに気づき
「生きている」という実感が湧いてくる。
呼吸にそって、気持ちよさが起こり、
いろいろな感情が起こって、発見がある人が多い。
「足腰をなでる」
最後に、体に引き締まりを作っていく。
その人本来の勢い、自分らしい勢いが、足腰をなでることで実現する。
気持ちよくなでることが大切。
「ウン、大丈夫」。
自分への「潜在意識教育」。
自分が思っている「自分」より、より深いもの(=自然)のゆるぎなさを、
そこへ戻って良いことを、潜在意識に語りかける。
そして、体の中心に戻る。(=先天に還る)。
どなたかに教えるときは、「同調して」「自らが整う」ことが原則。
教えなくちゃ、とか考えない。
自分らしく、自分が自然と出会うように。
どれだけ自分がスッキリした体になるかが大切。
何も言わないでも、みんなに同じ感覚が伝わっていくのが理想。
ちょっとしたひとこと、切り替わり、
同じように見える繰り返しの中に、何か、今違うものがある。
そのタイミングをつかまえる。
意識しておくことで変わる、それは自分の中の自然に気づくこと。
(純)
(純)