純真な気づき
The Book of Life
5/27のテーマは
Simple Awareness
以下、天野の訳です。
そうです。
知識であれ、経験であれ
今まで溜め込んできたあらゆる類のもの、
また、あらゆる理想や心の投影も、
或いは「こうあるべきで、こうあるべきではない」といった
心を律するための定型化した修行の実践も、
これら全ては明らかに、探求と発見のプロセスをことごとく阻害するものです。
ですから、私たちの探究心は
差し迫った問題の解決に向けられるのではなく、
意識も深層の無意識も含めた心の中にある全ての伝統、記憶、
人類として受け継いできたもの、
それら全部をいったん手放すことができるか、ということに
向けられなければなりません。
それが可能なのは、こうしたいという思いも、
こうしなければならないというプレッシャーも全くない状態の中で、
気づくことができる時。
つまり純然と、ただ気づいている時です。
そうして気づくことは、最も難しいことの一つです。
なぜなら、私たちは近々の問題とその早急な解決にとらわれてしまっていて、
生活がとても表面的なものになってしまっているからです。
どんな専門家を訪ねても、全ての本を読み、もっと多くの知識を求め、教会に参列し、祈り、瞑想し、様々な修行をしても、それでもなお、私たちの生活は、明らかに薄っぺらなものでしかありません。
なぜなら、深い覚醒に入るすべを知らないからです。
悟ること、深く深くに、向こう側へと至ることは、気づきによるものです。
ただ思考に気づき、感情に気づく。
いけないと咎めることも、何かと比べることもなく、ただ観察するのです。
やってみると、どれほど非日常的で難しいことなのかがわかるでしょう。
私たちが行ってきたあらゆる訓練は、
これは悪い、これは良いと判を押し、比べることをしてきたのですから。