気功のひろば
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ブログ

2022.01.08

気功生活 Vol.128

生まれる

全身で、
全霊。

【目次】

ふゆからはるへ 天野泰司
特集・夢と気功 新春の気功/夢曼荼羅の作り方/
「幸福になる気功」講座ノート
つれづれ湯遊記5 あや
The Book of Life 12/14・12/29
新生  吉田純子
本とCD・ DVD
講座案内


ふゆからはるへ

天野泰司

 新年あけましておめでとうございます。2022年が開け、新しい春を迎える季節になりました。昨年、そしてこれまでも、多くのご支援ご協力を本当にありがとうございました。おかげさまで、蔦町の新事務所が完成して一年、これからが活動の本番です。本年もよろしくお願いいたします。

からだの自然
『気功入門 からだの自然が目を覚ます』(春秋社)の増刷が決まりました。2004年12月に初版が出て、今回で14刷。紙媒体や書店が減りつつある昨今、とても貴重でありがたい思いです。
『気功入門』は原点のような本。気功協会創成期、1999〜2004年に積み重なった奇跡的で幸運な学びが、この一冊に結晶しています。多種多様な気功、整体や自然体育の流れが出会い、壁を越えてひとつになり、どこまでもシンプルでやさしい本になっているのは、驚くべきことです。

気功とは、何か特別な技法を学ぶものではなくて、自らの体の中に生き生きと働いている何かと出会い、対話しながら、その元からある自然な働きと一つになっていくことです。無限に方法があって複雑多岐になりがちですが、難解になればなるほど、本来の自然から遠ざかってしまいます。だからこそ、できるだけシンプルでやさしいことを選んで、無理のない自然なやり方で学ぶことがとても大切になります。

今年は、この原点の自然に立ち返って、やさしく深く気功を学んでいきます。メイン講座「気功の学校」をはじめとして、入門講座、「禅密の学校」、蔦町での集まり、毎月の配信など、充実した流れになることでしょう。

新しい生命を迎える
昨年末、長女のたまちゃんが自宅で元気な女の子を産みました。名前は「りん」です。
陣痛が始まったと連絡があったのは、木曜の教室の途中でした。初産なので、予定より遅れるつもりでいましたが、10日ほど早くなりました。りんちゃんはお腹にいる時から本当に聞き分けが良く、病院検診の前日に「明日逆さまだと帝王切開になるから、大人の都合なんだけど」と説明すると、翌日にはくるっと頭を下に。「もういつ産まれてもいいよ」というとすーっと頭から下に降りてくれていました。
自宅で出産できたのは幸運でした。産後も毎日てあてができますし、たまちゃんも四日目に骨盤が左右揃った時に起きることができました。

産まれたばかりの赤ちゃんへのてあては、カニババと呼ばれる宿便の排泄を促し、お乳を吸う力をしっかりさせるなど、大きな意味がありますが、最も大切なのは、ただここにいるだけで満たされた幸せな状態を保つことです。新生児期には強い刺激を避け、全てをその子にとって心地よいリズムで進めていくことが大切ですが、どれだけ気をつけても難しい時もあります。多少の波風があっても、てあてをしていくと、原点の幸せな状態に立ち戻って、この変化に富んだ現実世界を、臆せず存分に楽しみながら、全力で生きていく土台、ゆるぎない安心感が育っていくでしょう。

そのままの私を
生後13ヶ月、そして3歳までの間が、潜在意識に幸せの種をまいていく最も大切な時期。だからこそ、お産や子育て、妊娠以前の女性の体づくり、周囲や男性のサポートがとても重要になります。
けれど私たちは、大人になっても、繰り返し赤ちゃんの心と体に戻って、幸せの種をまくことができます。私たちが楽しんでいる「気功」は、そのやさしい具体的な方法です。「今、誕生したばかり」そんな初々しい気持ちで、今ここにある幸せを味わっていきましょう。まず私から、そして次の世代へと、幸せを膨らませていくのです。
次世代は、何も自分の子供や孫に限ったことではありません。また若い人たちだけに気持ちを向けるという意味でもなく、あらゆる人の中にある「こども」や「赤ちゃん」、いわば「純真なその人」「そのままの私」を見つめていくということです。

天心に還る
私たちが「てあて」、あるいは「愉気」と呼んでいるものは、この原点の自然への集中です。
その意味では、気功は「自分へのてあて」だということもできるでしょう。ポカンとして手をふれると、その場所の自然な働きが活性化していくように、なんの飾りも脚色もない自分におだやかな意識を向けて動いていくと、眠っていた自然が一斉に働き始めます。

季節は冬から春へと巡っていきます。生命が次々と芽吹いていくこの時期は、気功の真価が花開くタイミング。やさしい気功を、気持ちよく、天心に還って、みんなで続けていきましょう。

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