気功のひろば
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ブログ

2020.05.05

気功生活 Vol.118

切り変わる

瑞々しい心と体。
明るい想い。
清々しい空気。

 

【目次】

自然な社会へ 天野泰司
初夏の養生・コロナウイルスには
出版記念 講座&書店めぐり
蔦町の家6 〜蔦町基金 森田 徹
2020総会 蔦町からの祈り 会計報告
The Book of Life 3/9・4/24
春分の伊勢 吉田純子
Web講座あんない

 

自然な社会へ

天野泰司

春から初夏へ
長く続いた春から、季節は一気に初夏に移ってきました。
今までが大きな変革の時期、そしてこれからが、本格的な体力づくりの時期です。
ここでいう体力とは、生命力そのもの。
どんな状況の中でも生き生きと笑顔で暮らしていく力を培う季節の到来です。

この時期に大切なのは「漠然とした希望を持つ」ことです。
私たちはどうしても、嫌なこと、大変なことに目が向きがちですが、
見る角度を変えると、どこかに明るくて朗らかな感じや、
すっきりとした気持ち良い感覚が隠れていいて、特につらくて大変な時こそ、
わずかの回復や好転がとてもありがたく感じられるものです。

今はちょうど、色々な意味で、底を打って浮き上がるような時期。
新型コロナウイルスの影響で様々な活動が制限されているのもそうですが、
それ以上に国や社会のあり方や、お金を中心に動く経済システムの限界が、
私たちを苦しめています。
今までの延長ではない、全く新しい人と人とのつながり合い、
相互支援の方法が生まれてくる時代に入ってきました。

私たちは質の悪い布マスク二枚のために税金を支払っているつもりは全くありませんが、
一度集約して再分配する方式の中には、こうした現状に合わない
明らかな無駄が多々含まれているものですし、不要なら止めるという
修正システムが機能しないのも大きな問題です。

必要な時に、必要なところへ、必要なだけ物やお金や人の手が動き、
無理なく自然に様々なものが循環していく新しい社会の仕組みが、
今本当に求められています。

蔦町への思い
事務所移転のための「蔦町基金」は
4月現在、目標額の半分150万円が集まっています。
たくさんのご寄付を本当にありがとうございます。

昨年4月の時点では、古い日本家屋を活かして改装の予定でしたが、
調査が進むうちに、屋根の老朽化や増築部分の構造的な不具合がはっきりし、
コストが膨らみ改修を断念。
サイズダウンして、できるだけ簡素で使いやすい家を
新しく建て直すことになりました。
5月6日に地鎮祭をして、地盤改良、埋炭、基礎、棟上げと続き、
庭造りも同時に進めながら9月には竣工、9月末に移転の予定です。

新しい事務所と道場を作る上でイメージしているのは、
そこに来てくださる方々が、自ずと気持ちよく、
思わず元気になってしまうような空間です。
心地よく使いやすい蔦町の新しい道場と事務所から、
今この時代に必要な、自分で心身を整えていく方法や、
体の自然を大切に育む習慣が大きく広がっていくでしょう。

私たち気功協会にしかできない重要な役割があり社会貢献の形があります。
引き続き、ご支援をよろしくお願いいたします。

新しい寄付の形
コロナの影響で外出もままならないイタリアの会員さんから、
ウェブ上の支払システムのご提案をいただき、
海外で広く使われているPayPalに登録し、簡単な登録で
ネットからカード払ができるようになりました。

PayPalの規定で、講座費用など対価は支払えますが、
寄付や募金には使えないことが分かり、新たに調べてみると、
非営利団体の寄付に特化したネット支払ができる
Syncable(シンカブル)という支援サービスを吉田が見つけてくれました。

代表の田中辰也さんは
「Syncableが目指しているのは、自分たちの手で社会を良くするんだという
ムーブメントが自然発生的に起こる世の中です。そのために、
まずはそのきっかけとなる寄付の入口をどんどん広げていきたいと思っています。」
と語っていて、この考えにとても共感します。

気功協会が目指しているのは、一人一人が自立しながら、
自分が持つ力を自由に発揮して、お互いに支え合いながら
幸せと感じることが増していくような「気功的な社会」の実現です。
その社会の縮図は、私たちの体の中にあります。
生命の働きを手本にした、柔軟で有機的なつながり合いが新しい社会のモデルです。

気功を体験して気づくのは、生命の自然の働きの見事さと素晴らしさです。
そして、むしろその精密で寸分の狂いもない働きを邪魔しているのは、
「こうしなければ」という意識の働きや、
無理をしてでも頑張らなくてはならないような社会的制約だったりします。
だから、不自然な束縛を減らして、自然な働きの中へ還っていくと、
息を吹き返したように元気になっていきます。
それが「ゆるむ」ということの本当の意味です。

余分に緊張しているその力を抜けばよいということが、
論理としてではなく、体で直接体験してわかってしまうことが大切です。
すると、そのことが自然になって、広がっていきます。
その意味で、気功がこれからの社会の変化に資する役割はとても大きなものです。

Webを通じてできること
2月末から4月末現在まで、会場が使用できずに
ほとんどの教室や講座を休止しています。
私たちは、感染のリスクを物理的に減らすことよりも、
心身を整えて感染しなくてもよい体づくりをする、あるいは
仮に感染したとしても自分の力で乗り越え、より元気になっていくような
心身の準備を整えることの方がより重要との立場から、
会場が使えるのであれば可能な限り講座を開催してきました。

緊急事態宣言が出て、全ての会場が使えなくなったため、
「禅密の学校」初日が開講できないと前日に連絡があり、
急遽一斉メールで連絡をして、初めてのWeb講座を決行。
MacBook付属のカメラは音声や画面の状態がよくなく、
パソコンの位置を微妙に変えながら苦心して吉田が撮影してくれました。
最後は「笑い」で終わり、みなさんと講座ができた充実感、
喜び、開放感は大きなものでした。

しばらくの間、同時配信のWeb講座や、新しい動画が次々とアップされますので、
楽しみにしていてください。
公開済の「初夏の気功」や「不安を手放す」「免疫を上げる」コロナ関連の動画も、
多くの方が繰り返し見て、周囲に広がっています。

動画の魅力は、何度でも見れること、
そして動画を再生することで、「気功をして心身を整える時間」が
自動的に確保されることです。DVDや通信講座Selfも同様です。

すると、「あー、ここへ帰ってくればいいんだ」という
心の底からの安心感が体に浸透していきます。

「気功の学校」「禅密の学校」などは有料の限定公開に、
そして無料の動画はSyncableから手軽に寄付ができるようにしたいと思います。
「これはいい!」「応援したい」という気持ちと、
お金を手渡すことがすぐつながることで、新しい経済の仕組みが動き出すでしょう。
一人の中の小さな変化は、大きな変革のはじまりです。

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