気功のひろば
こちらは旧ブログです。新しいブログはnoteでご覧ください。

ブログ

2019.01.01

気功生活 Vol.110

たのしむ

微笑んで、
胸を開いて
新しい今を迎える。

 

【目次】

私からはじまる 天野泰司
「季節の気功」カレンダーになりました !
特集・腰痛になる心理
冬の講義録 心と体の大掃除 春に向けて
気功入門in高松 逆打ち遍路の旅
The Book of Life 11/7、12/6
アネモネの光 吉田純子

 

私からはじまる

天野泰司

 新年あけましておめでとうございます。昨年は災害が多く、私的にもとても大変な年でしたが、気功協会といういつでも安心して戻れる場所があったおかげで、なんとか乗り越えていくことができました。共にこの場に集っているみなさんに心から感謝いたします。
本当にありがとうございました。何もできなくてと謙遜される方もありますが、こうしてあなたという一人が参加してくださっていることがとても貴重で大きな力になっています。一人一人が自由な距離感で関わり合いながら、互いを大切にしあう気持ちでつながっていることをとても嬉しく思います。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

新学期に向けて
 気功の学校もこれから新学期。昨年同様、再受講生の比率が高いので安定した気の場が形作られていくだろうと思います。今年、特徴的なのは、久しぶりの再受講生や、家族参加者が増えていることです。
 時間を置いて参加されるのは、少し勇気のいることですが、気功の学校には、いつ戻ってきても自分らしく自由にくつろげる空気があり、同時に、毎年全く新しいフレッシュな場として、授業がスタートするので、新しい気づきや発見もたくさんあるだろうと思います。「行きたい、でも出られない」という状況の中、やっと巡ってきた貴重な機会を大切に受けとめて、授業を進めていきたいと思います。そして、夫婦やパートナーどうしでの参加やご家族の紹介で来られる方も多く、こちらもとても素晴らしく、また嬉しいことです。

 気功というと、従来のイメージではちょっと不思議な健康法だったり、マニアックな趣味の世界のように受け取られることが多かったのですが、自然ということを土台にして再編集を続け、その内容や印象も大きく変わってきました。
 シンプルで簡単な方法を選び、自然な体の動きを探り、心の流れをスムーズにし、生活そのものを豊かにしていく。この方向性をずっと見失わずにたどってきたことの成果が、今、大きく花開いてきているように思います。

習慣が変わる
 ウェブ上の「心がおちつくやさしい気功」の動画は、2011年からの7年ほどの間に視聴回数が68,000回を超えました。動画を見ながら誰でもすぐにできて、ゆっくりした時間をとって気持ちのよいことを淡々と続けることで、心身両面のみならず、生活面でも大きな変化が出てきています。
 最近いただいたレポートの中で面白かったのは、今までは自動車通勤がストレスだったのが、イライラすることもなくなり、急ぐ車に先を譲ったり、信号が黄色になったら停止して、ちょっとの間の気功を楽しむようになった、というものがありました。一見するとささいなことですが、いつも先に先にと心が焦っていたような行動習慣が、自然に落ち着いた行動に切り替わっていったことは、かなり本質的な変化が生じていると言えるでしょう。

 習慣を変えるというのは意志の力では難しく、変えようと思ってもなかなか変わるものではありません。ところが、体の方が変わってしまうと、努力していないのに自ずと豊かな心持ちになり、思わずゆとりのある気持ちよい行動をしてしまうようになります。
 幸運にして、私は大学の授業で、年間150名ほどの「心がおちつくやさしい気功」の実習レポートを読む機会に恵まれています。その中で効果を感じない方は多くても1人か2人、大部分の方は何らかの心身の変化を感じ、2割ぐらいの方が顕著な効果に驚かれています。「この授業を受けて本当によかった、これからも続けていきます。」という授業の感想を読むたびに、紆余曲折はあったけれど、こうしてまっすぐ前を見て歩いてきてよかったと、じーんとするものがあります。

私という時代
 一人が変わることの意味は、とても大きい。それも自らの力で変わるということは、その影響が広がり、全体が変わる可能性を秘めています。そして、家族や親しい方が同じ自然の流れを感じて、それぞれが自由に、自立して、自分らしく暮らし始めたら、その変化はゆるぎないものになり、世代を超えて続いていくようになるでしょう。
 相手を縛り、もたれあい、自分を歪めながら生きていく時代は終わり、お互いのことを心から大切に思い、自分の持っている力を思う存分、自由に発揮していく時代がやってくるでしょう。
 偉大な誰かが大きな旗を振って、それに皆がなびくのではありません。私というたった一人が変わる。それが大切な誰かに伝わる。こうして、根本から時代が変わっていくのでしょう。
 この時代を生きているあなた自身が、時代を体現しているのです。

img_04