気功のひろば
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ブログ

2018.04.30

気功生活 Vol.106

聴く

静かに
心を澄ませて。

 

【目次】

感じる力 天野泰司
2018総会 青不動 植福の祈り
MacBook基金 満額 !
初夏の養生 過去の打撲
諏訪気功散歩1
春の講義録 春の身体〜自ら整う
《保存版》セルフモニタリング
The Book of Life 3/15、4/26
台南之行 吉田純子

 

感じる力

天野泰司

満額御礼
今年は、一気に花開いた春でした。既に初夏を通り越したような暑さですが、暖かくなった後の寒さは体調に影響しやすいので、冷えたなと思ったらすぐに体を温め、また寒い時は我慢をせずに暖かくしてお過ごしください。
前号でご寄付を募った「MacBooK基金」は、おかげさまでほぼ満額となりました。短期間に多くのご好意を、本当にありがとうございました。
今号から、みなさんのお気持ちが集まった新しいMacBook Proで編集しています。操作にまだ慣れないので時間がかかりますが、キビキビと気持ちよく動いてくれるのと、画面が13から15インチになり、文字や写真が見やすいRetinaディスプレイになって、とても楽になりました。
もう一台、吉田の使っているメインのMacBookも、とうとうリターンキーに穴が空きかけ(こんなことは初めてです)、ちょうどいいものが整備済調製品として出品されるのを待っているところです。2台が同じOSで動くようになると、作業がとてもやりやすくなると思います。

本質的なバージョンアップ
Macとのお付き合いは20年以上になりますが、当初のことを思うと格段の進歩があります。年々のバージョンアップに加えて、根本のシステムも何度か本質的な見直しがあり、私たちもその都度ソフト、ハード両面の見直しをしなければなりませんでした。古いシステムで動いていたソフトを、何とかそのまま使えるように、色々と考えながら節約してきましたが、今回は思いきって買い替えて正解でした。同じように見えても、新しいシステムに適したソフトを使うことで、プリンタとの接続やフォントの扱いなど、今まで苦労していた小さなことがスルスルと解消し、ホッとしています。

Macの進化と同様に、気功もバージョンアップを重ねてきました。源流をたどると、数千年前にこんな養生法があったという記述や資料に到るので、ものすごく古いものという印象を持っている方もあると思いますが、市民の、市民による市民のための養生法として「気功」という呼び名が一般化したのは、劉貴珍氏が1957年に『気功療法実践』を著してからのことで、いまだ発展途上中の比較的新しい健康法です。
私たちにとっての本質的な転換期は、2000年の気功協会設立、2004年の『気功入門』出版、2011年の「心がおちつくやさしい気功」の誕生です。日本の土壌から生まれてくる自然な気功を再編集し、限りなくシンプルにまとめ、誰もが簡単にその効果を受け取れるようなやり方が生まれてきたことは、時代の流れに即した気功の正道を行くバージョンアップだったと言えるでしょう。
同じことを淡々と続けているように見えて、毎回違う。根底のところから何かが切り替わる。だから、久しぶりに講座や教室に来ていただくと、どこか懐かしいだけではなく、新しさや清々しさを感じるだろうと思います。

私をアップデートする
気功をすることは、日々の変化により深く気づいていくプロセス。そして毎日私が更新されていくと同時に、どこかのタイミングで、すっと本質的な転換が起こることがあります。
例えば、身体がゆるんできて、気づかなかった胸の苦しさや息のしづらさに気づいたとすると、それをはっきり感覚した時点から、呼吸器を丈夫にしていこうとする大変革が始まります。 今まで、多少の嫌な感覚にはフタをして、その制約の中でなんとか誤魔化しながら、それなりの快適さや気持ちよさに満足していたのが、もうそこには留まっていられない、とでも言うかのように、急に発熱したり咳込んだりして、胸郭の動きを活発にして、一気に胸を開きます。そして、一通り反応が終ると、新しい自分に更新されたようなフレッシュな感じになります。
朝の目覚めがスッキリ。息を吸い、吐くことがとても気持ちよく、自然とスッと腰が伸びてキビキビ動ける。楽しい前向きな空想が浮かんでくるようになり、視界がパッと明るくなったように色づいて感じられたり。

私たちの中には何かダメージを受けてもそこから立直り、身体をさらに強くしていこうとする自然の働きがあります。ただし、潜在的な能力はあっても、身体の情報が正確にキャッチできなければ力の出しようがありません。だから身体を充分にゆるめて感覚が働きやすくすることがとても大切になります。
争いの大部分も誤解から生じますし、情報を隠したり都合よく脚色することは、体を鈍らせ病気の温床をつくっているようなもの。正確に感じとる力、感受能力を高めていくことが体を育てていく面でも、健康な社会を作っていく上でもとても大切です。
医療や社会を根底から変える鍵は、私たち一人ひとりの「感受する力」にあるのです。

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