気功のひろば
こちらは旧ブログです。新しいブログはnoteでご覧ください。

ブログ

2016.04.29

気功生活 Vol.94

94号表紙

目を覚ます

ふと目が開き、
深く大きな息が
お腹に入り、
さっと動きだす。

 

【目次】

自由の風を通す 天野泰司
祈りの総会2016 告知
振替用紙のメッセージから
心がおちつくやさしい気功 保存版
The Book of Life 3/8、4/21
禅と気功
北から南から 熊本樹林気功会 古園学
初夏の気功
布で守る 吉田純子

 

自由の風を通す

天野泰司

落ち着いた心
疎水沿いの桜の葉が青々と繁り、
庭の紅葉もふさふさとした緑の木陰を作っています。
一晩のうちにぐんぐん伸びる草花の力を肌で感じ、
私たちの体の中にも、大きな成長の息吹が吹き込まれているようです。

阪神淡路大震災からは既に21年、東日本大震災から5年、
そして、熊本地震がこの4月に起こりました。
電気や水道などのライフラインは次第に復旧してきているようですが、
余震も多く、今尚、多くの方々が避難生活をされています。
繰り返される新聞やテレビの報道を見ていると不安や心配が先に立ちますが、
こんな時こそ心を落ち着けて、
心地よい暖かな心を被災地へ届けていきたいと思います。
 
川内が止まる時
今日本国内で稼動しているのは、鹿児島の川内原発だけです。
熊本、阿蘇、大分と広域に発生している大地震は、
いずれも中央構造線上に震源があり、
川内原発もこの構造線上に立地しているのですから、
福島のような大事故を防ごうとするなら、
すぐに運転を停止するのが正常な判断。
それが今の時点で止まっていないということが、どう考えても不思議です。

熊本出身の一人の方が始めた「川内原発を止めてください。」
というインターネット署名は既に12万人を越え、
署名者はまだまだ増えていきそうです。
こうして一人の純粋な思いが、また一人の共感を呼び、
大きな力になることが、最近特に目立つようになりました。
ただ、無理なことをせずに危険を避けたいという
人間として当然の思いが、すーっと自然に広がっている。
そこに、明るい未来を空想させる、本質的な変化を感じます。
同じ署名サイトに、「川内原発を止めないでください!」
という書き込みもあり、7千人の署名が集まったそうです。
そしてこちらの稼動維持勢力は、少数派であるためか
語気が強く、どこか説教的で攻撃的です。

3.11以降、全ての原発が停止したのは画期的なことでした。
また、新基準に適合したという理由で再稼動していた
高浜原発が、3/9大津地裁の判決によって運転停止の仮処分が決まり、
司法判断によって即刻停止した意味はとても大きなものでした。
そして、最後の砦のようにして稼動している川内原発が、
人々の思いが集まって止まることになれば、
日本という国が根本から変わる革命的な出来事になるでしょう。

束縛された自由
おそらく今、とても大切なことは、
一人一人の自主性、主体性が発揮されること。
そのためには、大きく分けると2つのことが必要です。

一つは、お互いを縛り合っているもの、
あるいは自分を縛っている何かを減らしていくこと。

もう一つは、体の中に眠っている
野性的な力が、ふつふつと目覚めていくことです。
不自然なことを減らし、自然の働きを高めていく。
それはまさしく、私たちが気功を通じて行っていることそのものです。

心身がゆるんで、固定的な考えや体のこわばりから自由になると、
そこから新しい発想がふくらんだり、
多くの選択肢の中から最適なものを選ぶようになり、
体は、すっすっとその都度必要な動きを自然にしてしまうようになります。
そうして自らの魂が喜ぶ方向へ能動的に自分の力を発揮し出すと、
体の野生のスイッチが入って「思わず人を助けてしまう」
新しい生活スタイルへ切り替わっていきます。
人間の野生とは、慈悲にあふれた利他的なものです。
もしそうでなければ、
赤ちゃんは一年以上も完全な依存状態にあるのですから、
人類はとっくの昔に途絶えているでしょう。

自由は、予め用意されているものではありません。
自分勝手に好きなことをするのが自由でもありません。
自由だと思って選んでいるその基準そのものが既に、
様々に色づけ方向付けされていて、
答えを選ばされていることに気づかないことも多いのかもしれません。
そして、不自然なこわばりや緊張をそのままにして、
習慣的な動作を繰り返しているだけでは、
自由に体が動いているとは言えません。

だからまず、心身のゆるみを培うのです。
それは、一生懸命になって努力を積み重ねることとは
反対の方向へ進んでいくこと。
肩の力を抜いて楽々と、気持よく動く習慣を通じて、
自然に育まれていくものです。
一人が自由で無理のない、気持よい生き方をすることで、
社会全体のゆるみが深まり、お互いににこにこしながら、
気持よくモノやお金が循環する社会になっていくでしょう。

この5月から7月末までの約3ヶ月、
再び全国で「心がおちつく やさしい気功」を続けていきましょう。

各地の無心で純粋な祈りが響き合うことで、
被災地に暖かな心が届き、
日本全体に、自由で清々しい風が吹くでしょう。

img_04