花開く思考
The Book of Life
6/19のテーマは
Let a Thought Flower
以下、天野の訳です。
———————-
「気づき」は、ある心の状態であり、
あらゆるものに対して生じます。
空を飛んでいく烏たち、
木に咲く花、
前に座っている人や、服の色合い、
そんな全てにあまねく気づいていくのです。
それには、はっきり見て、観察することが必要です。
葉っぱや幹の形を、
相手の頭の形や、何をしているかを。
あまねく広く気づいていて、そこから行動するということは、
つまり、自らの存在の全てに気づいているということです。
ほんの部分的な思考能力、
思考の断片、あるいは断片化された思考によって、
限定された思考にとらわれたまま、
それを元に経験をしているのであれば、
心の状態も、凡庸で、限られた狭いものになってしまうでしょう。
しかし、自らの存在の全体性に気づき、
あらゆる思考と感覚が目覚め、
そこに何一つ制限を加えず、
全ての思考と感覚を花開かせ、
そのうえで「気づいている」ということは、
ほんの限られた思考に基づく行動や集中、
制限されたその状態とは全くもって違います。
思考を花開かせ、感覚を開花させるには、
意図的な集中(concentration)ではなく、
自然にすっと気が集まること(attention)が必要です。
「花開かせる」とは、
「思考を自由にしてあげる」という意味です。
そして、あなたの思考や感覚の中で何が生じているのか、
何が起こっているのかを見るのです。
開花するものは、すべからく自由であり、輝きを持ち、
制限されざるものです。
どのような価値もそこに加えることはできません。
良いとか悪いとか
こうあるべきとか、こうあるべきでないなどと言うこともできません。
そんなことをしたら、思考の開花を抑制してしまいます。
とても深く、深く、このことを探っていってください。
そうすると、この「思考の開花」とは、
「思考の終焉」であることがわかるでしょう。