気功のひろば
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ブログ

2014.07.02

気功生活 Vol.83

83表紙

おめでとう

心から
幸せを祝い
ことほぐ。

 

【目次】

おめでとうが育むもの 天野泰司
2014年 おめでとう総会 報告
 役員より
梅雨〜夏の気功
北から南から 釧路・屋久島
The Book of Life 5/246/1
京都気功散歩 紫野を歩く
大自然の気と一つに 出口衆太郎

 

おめでとうが育むもの

天野泰司

誰かの幸せを、心から祝い、それを共有する。
「おめでとう」という言葉には、
そうした働きが内在しています。

私たちが生き、暮らしていることは、
まさしく「おめでとう」の連続。
小さな小さなおめでとうから、
とってもスペシャルなおめでとうまで、
毎日毎日、奇跡のように幸せが折り重なって、
今という時が流れています。

自然に任せる
先日、会員の綾ちゃんの結婚式が吉田神社でありました。
町家を貸し切って着付けと髪結いをしてもらったそうですが、
日本髪を地毛で結うのが珍しいこともあって、
見ず知らずの近所の人たちが次々と詰めかけ、
お祝いに野菜をくださったり、握手を求める方もあったのだとか。

人の幸せを一緒になって祝いたいという
純粋な気持は誰の中にもあって、とても自然なものです。
一方、羨み、ねたみ、嫉妬などは、極端に偏った臨時の感情で、
一時であればいいのですが、ずっと続いてしまうと
心を病み、体を壊し、
自他両面に対して破壊的な行動をしてしまう場合もあります。
難しいのは、それを意志の力でコントロールしようとすることです。
意識と無意識とが戦った場合には、無意識の方が圧倒的に強く、
それはいけないと頭でわかっているからこそ、
そうしてはいけないと強く思い、
思いが強くなる程に無意識側の大反発が起こって、
体は逆の方向へ大きくなだれ込んでいってしまいます。

ですから、意識的なコントロールを手放して、
むしろ無意識の働きに任せるようにしていきます。
「無意識」は「体」と言い換えてもよく、
ポカンとして体の自然に任せる。
泣きたければ泣き、笑いたければ笑い、
うずくまったり、伸びをしたり、
歩いたり、走ったり、立ち止まったり、
時には叫んだり、体中揺さぶったり、
何も考えずにただ体の動くままに動き、
心の流れるままに流れていくようにします。
すると、心の自浄作用がおこって、
本来の幸せな状態に立ち戻っていきます。

心も体も、完璧な働きを持っていて
欠けているものなどひとつもない。
それを乱すのはいつも強張った意識の働きです。
だからこそ体に任せていくこと、
同時に心の流れを自然に戻していくことが大切になります。

「おめでとう」と「ありがとう」
私たちの身の周りにある「おめでとう」の習慣は、
その元々の流れに還るきっかけのようなものです。
生活の節目節目を大切に祝うことから、日々の輝きが増し、
「幸せ」という天然の方向へ舵が切られます。

誕生おめでとう。結婚おめでとう。
合格おめでとう。入学おめでとう。卒業おめでとう。
出版おめでとう。満了おめでとう。
民主化おめでとう。原発ゼロにおめでとう。
今日生きていることにおめでとう。第二の人生におめでとう。
そしていつか光へ還っていくことにおめでとう。

今、現在のおめでとうは、ライブで臨場感のあるものですから、
とても大きな作用を持っています。
花嫁さんを見ただけで幸せな気分になったり、
赤ちゃんを見るとにっこりしてしまうのも、
幸せへの直接アクセスですから、
ピピッと感じるものがあれば、言葉に出さなくとも、
おめでとう感を体の中にふくらませて、
相手にふんわりと投げかけていくとよいでしょう。

過去のおめでとうは、
好きなものを選んでいつでも再生できる自由さが身上です。
とっておきのおめでとうを思い出すことで、
今感じている苦しみを乗り越えていったり、
これからの幸せを思い浮かべやすくなったりもします。

未来のおめでとうは、強力な心願成就法となります。
「こんなふうになるといいなぁ」ということを、
おめでとう!と先に祝っておくと、
潜在意識の働きで、そのことがとても実現しやすくなります。

こうしたおめでとうの習慣を積み上げていくと、
結果として日々の幸福感が増し、
「幸せ」への執着を捨てることになっていきます。
幸せを失うことの恐れが執着を生み、
失うまいとするほど、自然の流れから逸れ、
不幸が生まれるのです。
ただただ今の幸せを祝い、
昔の幸せも、未来の幸せも今の幸せのように祝う。
そうすると、次々と幸せがやってくるし、
他人の幸せも自分の幸せになり、
「ありがとう」の気持がふくらんで、
「固定した幸せ」をあっさり手放せるようになります。

だから、何のこだわりもない清々しい心で、
「おめでとう」と祝う。
純粋な祝福の気持が自分への、
そしてお互いへのてあて(愉気)となり、
いのちの働きを高め、輝かせてくれるでしょう。

今生きているということに、
そして、自然の働きと一つになっていることに、
心から、おめでとう。
そして今を支えてきた過去と、
これからの素晴らしい未来におめでとう。

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