気功のひろば
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ブログ

2014.05.27

気功生活 Vol.82

82表紙

変わる

静かに、
深いところで、
自然の流れにそって。

 

【目次】

平和ということ 天野泰司
2014「おめでとう総会」告示
気功の学校2014 講義録
京都気功散歩〜嵐山を歩く
The Book of Life から 4/114/18
春うらら 遠足報告
もうひとつの表紙絵〜振替用紙のメッセージ
初夏の気功

 

平和ということ

天野泰司

ほえほえくま
2014年3月18日。
中国と台湾の間で調印された後に、国会で審議も経ずに強行採決された
不平等な貿易協定に憤りを感じた学生達が、
台湾の国会を24日間占拠しました。
議場内のようすは学生達によってインターネットでライブ中継され、
日本の若者も応援のコメントをリアルタイムで書き込み続けました。

 台湾の学生達が「退回服貿」と声を上げていたのが
「ほえほえくまー」と聞こえたとかで、
日本では様々なクマの絵が次々に投稿され、
それを見た台湾の学生達は「ほえほえ、くま!」とシュプレヒコールを上げました。

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台湾の親日感情は強く、
特にアニメなどの流行文化には大きな関心が寄せられていますから、
こんな形の応援が嬉しかったのかもしれません。

 対話を中心に平和裏に交渉が進んだこと。
そして学生運動が一定の成功をおさめたこと。
日本ではあまり報道されていませんが、「太陽花学運」と呼ばれたこの動きは、
今までにない画期的なものでした。

 太陽花とは、ひまわりのこと。
学生が国会を占拠したその晩に、支持者から
国会に一本のひまわりの花が届けられ、
学生たちが講演台にその花を掲げたことから、
次々にひまわりの花が届くようになり、ひまわりがこの運動の象徴になりました。

国会の周囲は連日数万人もの学生や市民で囲まれ、お祭りのよう。
3月30日の抗議集会では主催者発表で50万人が集まり、
携帯の画面をペンライトの代わりに振りながら、
太陽花学運のために作られた「この島の夜明け」を
歌う様子が中継され、心を打たれました。

4月10日、暴力で権力に鎮圧されるのではなく
「責任と勇気を持って一歩下がる」と退去を宣言。
議場を清掃し、手に手にひまわりを持って議場から退出。
「運動は終わらない、それぞれの場で広がっていくように」と
外の学生や市民にひまわりを手渡す、美しく平和な戦いのありようは、
明るい未来を予見させるものでした。

台湾・中国・日本
何がここまでの大きな運動を引き起こしたのか。
この貿易協定の背後には、次第に中国に統合され
台湾の独立と民主が失われかねないという恐れがあったようです。
大量の中国資本が流れ込み、小さな島国台湾の経済が
支配下に置かれるとしたら、当然
国としての独立も怪しくなってくる。
急激な経済発展を背景に、お金で国を買うような行為が
始まっているとも言えなくはないのです。

学生達の勇気と秩序ある行動が、その流れを確実に変え始めた。
これは、歴史に残る出来事です。
そこへ日本の若者も日々エールを送り、それは台湾でも報道されました。

こんな様子を目にしながら、思い描く夢があります。
中国の全面的な民主化と世界中の平和です。
今回の台湾の動きは当然中国にも少なからぬ影響を与えるでしょう。
中国の民主化には、同じ中国語を話す民主国台湾が
大きな役割を果たすだろうと以前から思っていました。
その火種が着いたような気がするのです。
中国が変われば、チベットやウイグルも変わるでしょうし、
朝鮮半島の平和もじきに訪れるでしょう。

4月21日。公務執行妨害等で告発を受けていた学生のリーダーは
「いかなる社会的責任からも決して逃げない」と7名で台北の検察へ出頭。
1時間半後、出てきた弁護士は「学生無罪」とだけ述べました。
台湾の学生達の動きからはしばらく目が離せません。

体の中からの平和
振り返って、日本はどうでしょうか。
福島の原発事故の後、原発再稼動をめぐる報道の中で
「経済界」という言葉が何度も出てきたことに違和感を覚えました。
経済ということのために言論や自由が封じられ、
生活の場が奪われたり、苦しんだりしている人がいるのであれば、
本当に民主的で平和な社会だと言えるのでしょうか。

経済ということに限らず、小さな暴力の種は、
身の周りに数限りなくあります。
気づかずに話す言葉や、親切で行う行為の中にまで
暴力の種はあります。また、自分への暴力もあります。
知らず知らずに自分で自分を傷つけていることも多いのです。

そうしたあらゆる暴力の種に気づき、
コツコツと取り除いて綺麗にしていくような作業が
気功のような気もします。

2000年の気功協会設立以後、私はずっと
そういう気持ちで気功を続けてきました。
そうして体の中からの平和が実現した時、
きっと世界中の平和も実現していることでしょう。
大きな夢を一方に抱きながら、
自分という一番身近な生命と、妥協なく
真っすぐに向き合っていきたいと思います。

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